交渉は友好的に
2022年11月14日
交渉する時には、交渉相手と友好的に話した方がいいでしょうか。
それとも敵対的に話した方がいいでしょうか。
私は25歳で弁護士になった頃は、交渉は敵対的に行うものだと思い込んでいました。
強く主張し、相手のウラをかくのが当然だと思っていました。
しかし、弁護士になって28年、私の経験では、相手と友好的に話した方が交渉がうまく進みます。
しかも、自分にメリットがある形で。
そのため、たとえば、交渉相手を事前調査したところ、明治大学出身だとわかれば、
「明治大学のご出身だそうですね。私もそうです。平成3年卒です。今からの意見調整も、明治魂で、前へ、前へと進めていきましょう」
などと言ったりします。
この時、「早稲田大学のご出身だそうですね。私は早稲田大学は落ちてしまったので、大嫌いなんですよ」などとは言いません。
一気に雰囲気が悪くなり、お互い疑心暗鬼になってしまいます。
共通点について言及するのは、共通点があると好意を持ちやすいという「類似性の法則」という心理法則を利用したものです。
交渉を好意的に進める、ということは、相手の意見に同調する、ということではありません。
理性面では、交渉の対象で自分に最大の利益が帰属することを目指しながら、感情面では好意的に接する、ということです。
好意的に接することにより、人格に対する攻撃を避け、交渉の対象に集中するためです。
もし、あなたが敵対的な交渉ばかりをしているようであれば、一度試してみていただければと思います。