破産と債務免除益 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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破産と債務免除益

2022年03月17日

今回は、【税理士を守る会】でされた質疑応答をご紹介します。

(質問)

顧問先が債務超過に陥ったため、法的整理手続きを進めています。

顧問先が委任した弁護士は特別清算を検討しているようですが、特別清算の場合には、債務免除益が発生し、税金を払いきれない可能性があります。

破産の場合には、債務免除益を計上しなくていいと聞いたことがあります。

これは正しいのでしょうか。

正しいとすると、社長からの借入金や未払い給与についても同様でしょうか。

(回答)

特別清算については、和解型か協定型かにかかわらず、債権者との合意によって、債権が放棄される、という構成をとります。

したがって、債務が債権者側から免除されたことになり、債務免除益の計上が必要となります。

しかし、破産の場合は、債権者が債権届出をし、破産管財人が破産会社の財産で換価できた範囲内で配当を実施し、残余の債権が残ったまま破産手続が終結します。

この場合、「会社が破産宣告を受けた後破産終結決定がされて会社の法人格が消滅した場合には、これにより会社の負担していた債務も消滅するものと解すべき」(最高裁平成15年3月14日判決(民集57巻3号286頁)、とされており、債務が消滅する時点では、すでに債務免除益が生ずべき法人が存在しないことになります。

つまり、破産終結前に、債権者からの債債務免除の意思表示、消滅時効の援用その他債権が消滅する事由が生じず、債務が残ったまま破産終結決定に至る場合には、債務免除益が成立する余地がない、ということになります。

この場合には、債務者法人が存続している状態で債務が消滅することを前提とする法人税法59条2項、法人税法施行令117条の適用の場面ではありません。

債権者側では、債務者が消滅したために、債権が消滅してしまった、ということになります。

社長借入金や役員への未払い給与についても同様に免除を受けることなく消滅します。

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