【税理士向け】令和4年度税制改正大綱 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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【税理士向け】令和4年度税制改正大綱

2021年12月16日

先週発表された令和4年度税制改正大綱で、税理士法や附帯税関連でいくつか気になるものがありました。

(1)税理士事務所の該当性の判断の見直し

税理士法基本通達40-1は、「法第40条に規定する『事務所』とは、継続的に税理士業務を執行する場所をいいます。そして、継続的に税理士業務を執行する場所であるかどうかは、外部に対する表示の有無、設備の状況、使用人の有無等の客観的事実によって判定するものとする。」と規定しています。

改正では、このうち、

・設備の状況

・使用人の有無

などの物理的な事実により判断しない運用を行う、としています。

(令和5年4月1日より)

(2)懲戒と廃業

これまで懲戒処分を受けそうな時に、自主廃業して税理士資格を喪失することによって懲戒を免れる、という方法がとられてきましたが、この方法は今後取れません。

「税理士であった者」に対して「懲戒すべきであった」旨の決定がされる制度に変わるためです。

そして、この決定を受けた場合には、税理士業務の禁止の場合には、欠格事由に、税理士業務の停止の場合には、一定期間登録拒否事由に該当することになります。

(令和5年4月1日以降の違反行為に適用)

(3)懲戒処分の除籍期間

懲戒の事由があったときから10年を経過したときは、懲戒の手続を開始することができない、とされています。

(令和5年4月1日以降にした違反行為に適用)ということなので、当分無関係です。

(4)法人版事業承継税制

特例承継計画の提出期限は令和5年3月末でしたが、1年延長し、令和6年3月末となりました。

適用期限の令和9年12月末は延長されません。

(5)過少申告加算税等の加重

(一)税務調査において、帳簿提示提出拒否または帳簿に記載すべき売上等の金額の2分の1以上が記載されていない場合には、10%が加算されます。

(二)税務調査において、帳簿に記載すべき売上等の金額の3分の1以上が記載されていない場合には、5%が加算されます。

(6)隠蔽仮装行為があった場合の損金不算入

隠蔽仮装行為があった場合、明らかな取引及び金額など以外は損金算入が否定されます。

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