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税務調査における質問応答記録書とは

2019年06月15日

税務調査の過程で、質問応答記録書が作成されることがあります。

質問応答記録書は、租税職員が質問し、納税義務者等が回答した際に、その内容を記録し、記録後に回答者に対して署名押印を求めるものです。

従前は、租税職員が質問し、納税義務者等が回答した内容を証拠に残す際には、納税義務者等の回答内容を書面に記載して、申述書、確認書、供述書、嘆願書などの表題の書面を作成して、納税義務者等の署名押印を得ることが多かったと思います。

今でも作成されることはありますが、このような場合に作成する行政文書として、平成25年6月から、質問応答記録書の作成の手引が作成されています。

平成25年6月の国税庁課税総括課作成の「質問応答記録書作成の手引」(以下、「手引」と言います)に、その内容と作成手順の詳細が書かれています。

質問応答記録書の作成趣旨は、

「課税要件の充足性を確認する上で重要と認められる事項について、その事実関係の正確性を期するため、その要旨を調査担当者と納税義務者等の質問応答形式等で作成する行政文書である」(手引)

と説明されています。

そして、「事案によっては、この質問応答記録書は、課税処分のみならず、これに関わる不服申立て等においても証拠資料として用いられる場合があることも踏まえ、第三者(審判官や裁判官)が読んでも分かるように、必要・十分な事項を簡潔明瞭に記載する必要がある」(手引)とされており、更正するかどうかを判断する上での証拠資料となるのはもとより、処分取消訴訟等において証拠として提出されることが前提とされています。

質問応答記録書が作成され、後日、処分取消訴訟において提出された場合、有力な証拠となります。後日の訂正・撤回は容易ではありません。

したがって、質問応答記録書には、事実に合致した内容のみを記載してもらうようにしなければなりません。そのために、質問応答記録書を作成する際には、回答者側は、訂正等を求めることができることとされています。手引の作成例では、最後に「以上で質問を終えますが、何か訂正したい又は付け加えたいことがありますか。」というような質問例が記載されています。

もし、税務調査において、質問応答記録書が作成され、その内容が事実と相違していたり、あるいは、記憶と異なる記載がされた場合には、積極的に訂正を申し立てるようにしましょう。

そうしないと、後日、裁判等になった場合に、質問応答記録書に記載された内容で事実が認定されてしまう可能性があります。

手引によると、質問応答記録書を完成させた後に、回答者から、後日、訂正・変更の申立てあった場合でも、当該質問応答記録書には訂正等を行ってはならない、とされています。

そして、必要に応じ、訂正・変更の主張及び変更後の回答内容を記録するための新しい質問応答記録書を作成するなどの方法により対応する、とされています。

したがって、後日訂正等の申立てを行っても、必ず改めて質問応答記録書が作成されるわけではありません。

質問応答記録書は、「課税要件の充足性を確認する上で重要と認められる事項について、その事実関係の正確性を期するため」(手引)に作成されるものですが、「事案によっては、納税義務者等の回答内容そのものが課税要件の充足のための直接証拠となる事案や、直接証拠の収集が困難であるため、納税義務者等の回答内容を立証の柱として更正決定等をすべきと判断する事案もある。」(手引)とされており、質問応答記録書における納税者の回答内容を柱として更正がされる事案もありうることが示唆されています。

したがって、租税職員から質問応答記録書の作成を開始する、と告げられた際には、慎重に対応し、記憶にないことを供述しないことが大切です。

また、質問応答記録書を作成した場合には、「質問応答記録書の作成後、回答者に対し、同人の拒否などの特段の事情のない限り、質問応答の要旨に記載した内容を読み上げ、内容に誤りがないか確認させなければならない。一層の記載内容の信用性確保のため、併せて、提示し、閲読してもらうことが望ましい」とされていますので、読み上げおよび閲読させてもらうことを求め、内容の正確性を確認することが望ましいでしょう。

最後に署名押印を求められます。署名押印した場合には、その内容を認めたこととなり、後日、覆すことが困難となりますので、必ず内容を確認することが必要です。

署名押印は義務ではありません。この場合には、奥書で、回答者が署名押印を拒否した旨を租税職員が記載し、署名押印することによって書類として完成することになります。したがって回答者が署名押印しなくても、書類としては完成することになります。

間違った内容の質問応答記録書には、署名押印しないよう気をつけましょう。

ご相談は、こちらから。
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