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意外と厳罰!あおり運転。

2018年05月10日

今回は、あおり運転は非常に危険な行為であり、かつ重大な犯罪であるということについて解説します。

「東北道であおり運転、前に割り込み急ブレーキで追突させる 会社役員の男逮捕」(2018年5月8日 産経新聞)

福島県警高速隊は、山形県の会社役員の男(28)を自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで逮捕しました。

事件が起きたのは、今年(2018年)3月20日午前0時10分頃。
福島県郡山市の東北自動車道下り線で、男は乗用車を運転中、前方の大型トラックを数分間あおった後、前に割り込み急ブレーキをかけて自車に追突させ、40代の男性運転手の腰などにケガを負わせたということです。

トラックの運転手が「あおられている」と110番通報した直後に追突事故は起きたようで、同県警高速隊が目撃者の証言やドライブレコーダーの記録を調査し、容疑者を割り出したとしています。


そもそも、あおり運転は道路交通法違反となる行為です。

「道路交通法」
第26条(車間距離の保持)
車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。

これに違反した場合、一般道では5年以下の罰金(第120条12号)、
高速道路では3月以下の懲役または5万円以下の罰金(第119条1項1号の4)が科されます。

あおり運転の危険性については以前から指摘されていたことでしたが、
厳罰化の方向に進んだ背景には、2017(平成29)年6月に神奈川県大井町の東名高速道で起きた悪質なおあり運転による死亡事故があります。

詳しい解説はこちら⇒
「あおり運転は事故を起こさなくても暴行罪が適用!」
https://taniharamakoto.com/archives/2908/

この交通死亡事故の後、警視庁は今年(2018年)1月、各都道府県警に対する文書で、あおり運転の取り締まりを強化し、危険運転致死傷罪や刑法の暴行罪などの容疑の適用も視野に積極的な捜査をするよう指示をしました。

今回の事件では、危険運転致傷罪での逮捕ということですので、自動車運転死傷行為処罰法について見ていきましょう。

「自動車運転死傷行為処罰法」
第二条(危険運転致死傷)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。

四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為


自動車運転死傷行為処罰法は、正式名称を「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」といいます。

相次ぐ悪質な危険運転による悲惨な交通事故を抑制するため、以前から刑法に規定してきた「危険運転致死傷罪」と「自動車運転過失致死傷罪」を抜き出し、新たな類型の犯罪を加えて、2014(平成26)年5月20日に施行された法律です。

自動車運転死傷行為処罰法の詳しい解説はこちら⇒
「自動車運転死傷行為処罰法の弁護士解説(2)」
https://taniharamakoto.com/archives/1236/

この条文を見ていただければわかると思いますが、あおり運転で事故を起こして怪我をさせた場合、最高刑が懲役15年と大変重い罪になっています。

あおり運転は、自動車を運転していて、他の自動車にかっとなってやってしまうことが多いと思うのですが、その結果、最高懲役15年という危険運転致傷罪の適用になる可能性があるということです。

ちなみに、事故の結果、他人を死亡させた時は、最高刑20年の懲役となっています。

自動車を運転していると、気が大きくなってしまう人もいると思いますが、場合によってはとても重い罪を犯してしまう危険があることを十分認識しましょう。