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インターネットの削除代行で弁護士法違反

2017年02月22日

さまざまな情報がインターネット上を飛び交う現代では、個人の名誉やプライバシーを傷つける情報が公開され、拡散するという問題が増えています。

そうした中、個人の中傷記事などの削除手続きを高額の料金で請け負う「削除ビジネス」が横行しているようです。

今回は、弁護士にしかできない仕事、弁護士でなければできない法律業務を、弁護士の資格を持たない人が行うとどうなるのか、ということについて解説したいと思います。

「ネットの削除要請代行、非弁行為と認める判決」(2017年2月20日 読売新聞)

自身を中傷するインターネット上の書き込みの削除を業者に依頼した男性が、報酬を得て削除要請を代行する業者の行為は弁護士法違反(非弁行為)にあたるとして、業者に支払った金額の返還を求めた訴訟の判決がありました。

判決によると、原告の男性は2012~2013年、東京都内の業者に自身を中傷する13件のネット上の書き込みの削除を依頼。
業者はサイト運営者に削除を要請し、10件が削除されたため男性は計約49万円を業者に支払ったものの、すべての記事の削除を依頼していた男性は業者に対して契約の無効を訴えていました。

業者側は「サイトの通報用フォームを使って削除を依頼しただけで法律事務ではない」と主張。
しかし、東京地裁は「フォームの入力は男性の人格権に基づく削除請求権の行使で、サイト運営者に削除義務という法律上の効果を発生させる」と判断し、業者が男性から得た報酬を不当利得と認定。
業者の行為を非弁行為と認め、全額の返還を命じる判決を言い渡しました。

なお、男性の精神的被害による慰謝料など1100万円の請求は棄却されたということです。
さて、今回の事件で問題になったのは弁護士法違反です。

弁護士法は、1893(明治26)年に制定、1949(昭和24)年に全部改正された法律で、弁護士の使命や職務、権利、義務などについて定めています。

「弁護士法」
第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
ここで禁止している行為は、非弁活動(非弁行為)といわれるもので、これに違反した場合、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処されます。(弁護士法第77条3号)

非弁活動(非弁行為)とは、第72条に規定されている行為(弁護士業務)を、無資格者が報酬を得る目的で反復継続して行うことで、過去にはさまざまな事件や判例があります。

・地上げ屋が行なった立ち退き交渉
・借金の取り立てをした貸金請求の交渉
・交通事故の被害者の代理で行なった加害者側との示談交渉
・行政書士が行なった交通事故被害者の控訴審の手続き
・行政書士が行なった遺産分割紛争での他の相続人との折衝
・行政書士が行なったアダルトサイトの違法請求の解決業務
・無資格者が行なった過払金返還請求の代理業務
・ネット広告を通して無資格者が行なった賃料減額業務
・司法書士が行なった債権整理業務
・大家の代理人として行なった建物賃貸借契約解除(立ち退き)の交渉

詳しい解説はこちら⇒「法律事務は、弁護士でなければできません。」
https://taniharamakoto.com/archives/2475/
インターネットの発達、普及により、近年では誰でも簡単にホームページを開設したり、ネット広告を作成、掲載することができるようになりました。
そのため、弁護士でない者が法律相談を受けたり、問題解決を請け負っているという例も増えているようですが、当然こうした行為は非弁行為になります。
以前、弁護士でない人間が他人の法的紛争に介入していくという内容のテレビドラマが放送されていたことがありました。

エンターテイメントとしてはありなのかもしれませんが、こうした非弁行為は法律の下では許されないということは覚えておいてほしいと思います。

また、法律問題については必ず弁護士に相談することも忘れないようにしてほしいと思います。