気分が乗るのを待ちましょう??
シロクマ君とキツネ君は、同じ高校に通っている高校生だ。
来年大学受験を控えている。
キツネ君は、頭はいいが、気分にムラがある。
母親が、「勉強しなさい」と言っても、「今は気分が乗らないんだ。気分が乗らない時に勉強しても、頭に入らないよ。やる気になれば、俺はできるんだから」と言って、昼間はゲームに夢中になっている。
そして、夜9時ころになると、「あっ、そろそろ勉強しないと、やばいな」と思い、焦りから、勉強を始めるのだった。
それでも、成績はそれなりだった。
シロクマ君は、頭はよくないが、努力家だ。
家に帰ると、すぐに教科書を開いて勉強を始める。
母親は、シロクマ君に「帰ったら少し休んだらどうなの?いきなり勉強しても、頭に入らないでしょう」と言うが、シロクマ君は、次のように言った。
「僕にはそんな余裕はないんだ。頭が良くないから、他人より多く勉強しなくちゃならない。気分が乗るのを待ってたら、いつまでたっても他人に勝てないんだよ」
母親は、これを聞いて、何も言えなくなってしまった。
月日が経ち、いよいよ大学受験になった。
誰が受かっただろうか?
キツネ君は、不合格だった。
キツネ君は、「自分はやろうと思えばいつでもできる」と自信満々だった。
しかし、毎日家に帰ると気分が乗らず、ゲームを続け、遅い時間になってようやく勉強を始める始末だったから、勉強時間が足りなかった。
他の人達の勉強時間の増加によって、成績が次第に落ちていった。
シロクマ君は合格した。
シロクマ君は、家に帰るとすぐさま勉強を開始した。大学に合格することが、自分が今すべきであることを知っていたからだ。
女流作家のパール・バックは、こう言っている。
「私は気分が乗るのを待ったりはしない。そんなことをしていては何も達成できないから。とにかく仕事に取りかかるのだという意識が必要なのだ。」
彼女は、愛娘の病気が悪化し、重度の知的障害をもつ子供となり、その世話に追われながら、偉大な作品「大地」を著し、ノーベル賞、ピューリッツァー賞を受賞した。
彼女は、もちろん、自分の気分など待ってはいられなかっただろう。
では、私たちは、自分の気分を待っていていいのだろうか?
それとも、目の前のやるべきことに、今すぐ取りかかるべきだろうか?
答えは、明らかだと思う。
さあ、今すぐ始めよう。