落とし物は、どこにいくのか? | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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落とし物は、どこにいくのか?

2011年12月28日


警視庁によりますと、2011年の1年間で、東京都内での落とし物の受理件数はおよそ293万6000件で、おととしより3.4%増加し、過去最多を記録したとのことです。

落とし物の映像は、こちら。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4937964.html

落とし物の多い順は、次のとおり。

・ 衣類  (46万枚)
・ かさ (33万本)
・ 証明書類 (28万枚)

落とし物は、どのように処理されるか、知っていますか?

実は、法律があります。

民法と遺失物法です。

落とし物を拾った人は、速やかに、落とした人に返すか、警察署長に提出しなければなりません。

落とし物を、勝手に自分の物にしてしまうと、「遺失物横領罪」として、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金もしくは科料に問われる可能性があります。(刑法254条)

落とした人が分からないものは、約1か月後に警視庁遺失物センターに送られ、公告されますが、公告後3ヶ月を経過しても、落とし主が判明しないときは、落とし物は、拾った人に物になります。

ただし、麻薬や拳銃などの所持が違法とされるものは、拾った人の物になりません。

また、個人の身分証明も拾った人の物にしても意味がないし、個人情報や秘密情報が記録された物も、拾った人の物にはなりません。したがって、携帯電話は、拾った人の物にはなりませんね。

落とし主が現れた時は、落とし主は、拾った人に対して「報労金」を払わないといけません。

その額は、落とし物の価格の5~20%の範囲内です。

つまり、100万円を落とした人は、拾った人に、5~20万円を支払う必要があります。

これを払わない場合には、拾った人は、落とした人に対して裁判を起こすことができます。

ところで、2011年の落とし物のうち、現金はおよそ28億5000万円です!

落とし物をしたら、すぐに警察に問い合わせをしましょう!

もったいないです。