薬物ハーブだけでなく、覚醒剤も・・・(危険運転致傷罪か) | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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薬物ハーブだけでなく、覚醒剤も・・・(危険運転致傷罪か)

2012年06月16日


6月1日に、大阪・ミナミの繁華街を軽乗用車が暴走し女性2人が軽傷を負った事件があり、運転者が自動車運転過失致傷罪で捜査されていました。

この運転者は、歩道に乗り上げて金属製の支柱に衝突した後、突然アクセルを強く踏み続け、現場に煙りが立ちこめるほど、タイヤを空転させたり、奇声をあげたり、座り込んで嘔吐するなど錯乱状態にあったということです。

そこで、何らかの薬物使用が疑われていましたが、本人は「脱法ハーブ」を使用した、ということでした。ところが、「脱法ハーブ」の吸引だけでは錯乱することが少ないとされていたことから、危険な運転が薬物の影響だという立証が難しく危険運転致傷罪の適用は見送られるか、と思われていました。

ところが、このたび、運転者の尿から覚醒剤反応が出たそうです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120616-00000040-mai-soci

これで、危険運転が薬物の影響によるものとの見方がされるようになり、危険運転致傷罪の適用が視野に入ってきました。

これまでは、自動車運転過失致傷罪で最高7年以下の懲役と見られていたものが、危険運転致傷罪で最高15年以下の懲役、という重い犯罪が成立する可能性が出てきたものです。

この事件については、今後の捜査の進展を見守りたいと思います。