自転車にナンバープレート導入か? | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
メニュー
みらい総合法律事務所
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。

自転車にナンバープレート導入か?

2012年09月11日

自転車にナンバープレート制が導入されそうです。

東京都自転車対策懇談会は10日、自転車のナンバープレート表示や購入時のデポジット(預け金)制度の導入を求める提言をまとめました。これを踏まえ、都は総合的な自転車対策の条例化を検討するとのことです。

自転車に乗る方は、おおいに反対したいところでしょう。

特に、かっこく自転車を乗りこなしたい人は、なおさらでしょう。

では、自転車に乗らない人は、賛成ですか?反対ですか?

私は、交通事故の被害者からの相談を多く受けます。

その中には自転車事故もあるのですが、自転車事故で、ひき逃げをされた、という事案になると、その解決が非常に困難になります。

誰が犯人か、わからないのです。

近所の人で、毎日自転車でその場を通るのであれば別ですが、そうでないと、身分証明書などを落としていってくれないと、お手上げになることもあります。

そして、自転車の場合には、自賠責保険制度がなく、また任意保険も充実していないので、被害者自身が自転車による事故に遭ったとき、損害を補填してもらえる制度も十分ではありません。

そこで、自転車にナンバープレートをつけ、自転車事故の加害者の特定を容易することには合理性があります。

でも、今回のナンバープレート制導入の理由は、他にもあります。

都内には約900万台の自転車があり、この1割近くが毎年放置自転車として撤去されているそうで、2010年度の放置対策費は、なんと155億円に上るそうです。

大変なことですね。

自転車は手軽な乗り物ですが、歩行者とぶつかった時は、時として大けがをさせる危険もある乗り物であることを考えると、ナンバープレート制導入には合理性があると考えます。

問題点を検討した上で、早急に実現して欲しいと思います。

なお、ついでに自転車について自賠責保険、あるいは類似の制度を導入してくれると、なお嬉しいところです。