スカート内を盗撮すると、無罪!? | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
メニュー
みらい総合法律事務所
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。

スカート内を盗撮すると、無罪!?

2012年09月14日


スカート内を盗撮すると、犯罪か!?

この点は、これまでにも何度ニュースになったこともあり、ご存じの方も多いと思います。

スカート内を盗撮すると、それぞれの県の迷惑防止条例に違反します。

事件は、9月10日の起こりました。

飛行機が兵庫県上空あたりを飛んでいるとき、男が客室乗務員のスカート内をボールペン型のカメラで撮影したとして、同日逮捕されました。

男は罪を認めましたが、なんと、東京地検は、男を処分保留で釈放。

理由としては、盗撮時点での場所の特定が困難、ということです。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012101200614

どいうことでしょうか?

スカート内の盗撮行為は、法律で罰則を定めたものはないので、兵庫県迷惑防止条例で逮捕されました。

「兵庫県」迷惑防止条例ということは、その罪が、兵庫県内で行われることが必要です。

しかし、スカート内を盗撮した時、飛行機が兵庫県の上空を飛んでいたのか、どうか、断定できなかった、ということです。

兵庫県上空を飛んでいたかどうかを特定するためには、スカート内を盗撮した正確な時刻を確定し、その時刻に、兵庫県上空を飛んでいたことを確定しなければなりません。

どちらかが不明だったのでしょう。

こう考えると、

「飛行機内でのハイジャックや暴行罪などは、起訴されるのに、なぜ!?」

という疑問がわくかもしれません。

これは、法律と条例の違いです。

ハイジャックや暴行罪は、法律で規定されています。

どこの県であろうと、日本全国で適用されますので、必ずしも県を特定する必要はありません。

しかも、日本の飛行機内であれば、公海上でも、国外でも、刑法が適用されます。

しかし、条例は、その県のみに適用されますので、犯罪が発生した県を特定しないといけないわけですね。

法律って、難しいですね~。