ホントに呼ぶか?
2006年04月14日
消防車見たさに、嘘の119番をして、東京消防庁の業務を妨害したとして、偽計業務妨害の疑いで男性(20)が逮捕されたそうです。
被疑者は「小さいころから消防車を見るのが好きだった」と話し、公衆電話で約60回、携帯電話で5、6回の119番をしたことを認めているそうです。
「偽計業務妨害罪」は、刑法233条に規定されています。偽計というのは、嘘をついて騙したり、誘惑したり、他人の無知、錯誤を利用したりすることです。3年以下の懲役または50万円以下の罰金刑が規定されています。
私もそうでしたが、子供というのは、パトカー、消防車、救急車などを見るのが好きなようです。しかし、嘘の電話をかけて呼ぶことはありません。子供は、それがやってはいけないことだとわかるからです。
自分の欲求の反対側には、守られるべき価値があります。今回の場合には、消防庁の業務ということになります。もう少し具体的に考えてみると、今回の犯罪時に、他の場所で火災が発生しており、この嘘の電話のせいで火災現場への到着が遅れたかもしれません。そして、その結果、建物が焼失し、あるいは人命が危険にさらされたかもしれません。
そのように具体的に考えてみると、とても嘘で消防車を呼ぶ気にはなれません。
自分の中に欲求が湧いた場合、反対側から眺められるようにしたいものです。
欲求心理学トピックス100
思いどおりに他人を動かす交渉・説得の技術―現役弁護士が書いた