福岡3児死亡事件で飲酒検知前に水を飲ませた者に対する損害賠償棄却
2011年02月24日
2006年8月25日夜、福岡市東区にある海の中道大橋で幼児3人が死亡した飲酒運転事故で、3児の両親が、加害者(二審で懲役20年)の飲酒検知前に水を飲ませて証拠隠滅をはかった知人男性(26)に対して、200万円の損害賠償を求めていた。
福岡地裁は、2月24日、両親の請求を棄却した。
両親は、男性が水を飲ませたことで今林被告の刑事裁判が長期化し、犯罪被害者として「適正で迅速な刑罰の実現を期待する権利や、重要な事実を知る権利が侵害された」と主張していた。
福岡地裁は「犯罪被害者としての権利や利益は、刑事手続きへの関与によって得られる事実上のもので、法律上保護されているとは認められない」と述べた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110224-00000055-jij-soci
確かに、裁判所の言うように、刑事手続は、あくまで国家と被告人との関係で行われ、前述の犯罪被害者の権利や利益は直接保護されているわけではない。
しかし、過去の判例では、加害者が証拠隠滅行為をした場合に、被害者の精神的苦痛が増大するとして慰謝料を増額したものもあり、今回の加害者に対する損害賠償請求において慰謝料を増額する可能性がある。
そうであれば、その証拠隠滅によって両親が精神的苦痛を被ったとして慰謝料請求を認めてもおかしくはない。
両親は控訴するとのことであり、控訴審では逆転判決が出る可能性もあると思う