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ビジネスは、winwinか?

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2010年7月31日

今朝の「とくダネ!」で、小倉さんが、「ビジネスでwinwinはあり得ない。たいてい誰かが損をしている」という趣旨(正確ではありません)の発言をしていた。

インターネット上のクーポン業者は、飲食店などの割引クーポンを販売して販売手数料を得、消費者は、クーポンを購入することにより割引価格で飲食等ができ、飲食店は、集客ができ、リピーター獲得のチャンスを得られるので、「全ての人がwinwinだ」、という説明に対しての発言だ。

そうだろうか。

パソコンの売り買い1つとっても、パソコン販売業者は、パソコンよりもお金が欲しいのでパソコンを一定の金額で売る。売れればハッピーだ。

パソコンを買う人は、パソコンが欲しいから、それだけのお金を払う。パソコンが手に入るとハッピーだ。その金額のお金の価値よりもパソコンの価値の方が高いと思わなければ買わない。

したがって、パソコンを売る方も買う方もハッピーなはずである。

先ほどの例に戻ってクーポン業者は、クーポンを販売して利益を得ることを目的に業務をしているので、とにかく売れればハッピーに違いない。売れない時がハッピーではないだけだ。

消費者は、他の食事の選択肢を捨てて、そのクーポンを選択した。元々の値段より安い値段で食事ができるので、その意味ではハッピーだ。ハッピーでないのは、雰囲気や味が気にくわなかったときだ。しかし、それは、このシステムに問題があるのではない。

初めての店で外食をするときには、常にそのリスクは付きまとうのであり、クーポンのせいではない。

飲食店は、客が来てくれれば空席が埋まるのでハッピーだ。原価割れするほどの低価格でクーポンを販売するときは、リピーターを得るための戦略だ。とにかく1回来店してくれればリピーター獲得のための門をくぐったわけだから、ハッピーだ。後は店と客の相性次第となる。

リピーターになるかどうかは、どれだけ客に代金以上の満足感や感動を与えられるかどうかであり、それができればクーポンを原価割れして販売しても元が取れ、それができなければ利益が出る範囲内でクーポンを販売すべきだ。

つまり経営判断の問題であり、クーポンのシステムが悪いわけではない。

したがって、クーポン自体では、誰も損はしていないと思う。

全ての人がハッピーなはずである。


では、弁護士の仕事はどうか。

交通事故を例に取ってみる。

被害者が、加害者側の保険会社と交渉し、示談金額が1,000万円まで上がってきたとする。本人では、これが限界だ。

そこで弁護士に依頼する。弁護士は、裁判を起こし、最終的に解決した賠償金は2,000万円だ。

弁護士は、その中から報酬をもらってハッピーだ。

依頼者は、賠償金が増えてハッピーだ。

保険会社はどうか?より多くの賠償金を払わされるので、ハッピーではない。

つまり、今の弁護士の仕事のように、1つのパイ(賠償金)を奪い合うビジネスは、片方が得をすれば、片方が損をするので、ハッピーな人とハッピーでない人が生じるが、利害が異なる人同士(お金が欲しい人、できるだけ安く飲食したい人、リピーターが欲しい人)のビジネスでは、そもそも勝者と敗者は生じておらず、皆ハッピーになることができる、ということではなかろうか。

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