また悲惨な交通事故 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
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また悲惨な交通事故

2006年09月04日

これは一体どういうことか?なぜ飲酒運転が多発しているのか?

2006年8月25日午前零時半ころ、沖縄県の県道で、酒に酔って寝ていた男性(28)を、車ではね、巻き込んだまま3~4キロ引きずって死なせた業務上過失致傷の疑いで、46歳の男性が逮捕されたそうです。

同時に、同乗していた5人を道路交通法違反容疑(酒酔い運転の幇助でしょうか?)で書類送検したとのことです。

ニュース

逮捕された男性らは、泡盛を20~30杯飲んだとのことで、被害者を車で引きずった感触はなかったと供述しています。

先日に続き、飲酒による悲惨な事故です。確かに酔って寝ていた男性も事故の原因を作っていますが、飲酒運転をしていなければ避けられたのではないでしょうか。泡盛を20~30杯も飲んだら酔うに決まっています。

一緒に飲酒し、同乗した人達も、やはり罪に問われるべきでしょう。
また、同乗者も死亡による損害賠償責任を負担する可能性が十分あります。

2006年7月28日の東京地裁判決は、運転者とともに、一緒に飲酒していた同僚、車の所有者である元勤務先に対し、合計5,800万円の損害賠償を命じる判決を出しています。裁判所は、一緒に飲酒していた同僚について、「男が正常に運転できない状態だったことを認識していた上、運転して帰宅することも予見できた」と判断して賠償責任を認めました。

他にも飲酒運転による事故がありました。

2006年9月3日午後2時20分ごろ、和歌山県のガソリンスタンドに、飲酒運転の62歳男性の乗用車が突っ込み、1人死亡、1人重傷です。

警察は、加害者を業務上過失傷害の現行犯で逮捕し、同致死傷容疑に切り替えて捜査しているとのこと。ブレーキ痕はなかったそうです。

ニュース

本当に飲酒運転はやめていただきたいと思います。
自分で殺す意思がなくても、人が死ぬんです人生を奪うのです

せめて加害者、あるいは加害自動車に対人無制限の任意保険加入がなされていることを祈ります。せめて法律上正当な賠償金で、少しでも精神的損害を慰藉できればと願います。

刑法208条の2(危険運転致死傷罪)
アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で四輪以上の自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上(20年以下)の有期懲役に処する。

道路交通法65条
1項「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」
2項「何人も、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。」