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弁当に気を取られて2人死亡

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2010年9月3日

痛ましい事故が起きました。


2010年10月2日午後5時45分ごろ、福岡市博多区博多駅南の市道で、動物病院に勤務する女性(21)の乗った車が、歩行中の女性2人をはね、2人とも死亡したそうです。

運転手の女性は、自動車運転過失致傷の容疑で逮捕され、被害者が死亡したことから、自動車運転過失致死の容疑に切り替えられています。

事故の原因は、同容疑者は弁当を買って勤務先に戻る途中で、「助手席に積んでいた弁当が落ちそうになってよそ見をした」と供述。同署はハンドル操作を誤ったということです。

このような事故の場合、2つの意見が出てきます。

1つは、結果を重く見る意見。「2人の人命を奪ったのだから、重く処罰すべき」

もう1つは、行為を重視する意見。「わざとじゃないし、ほんのちょっとの不注意で、この程度の不注意は、皆よくあること。たまたま結果が重かったのだから、そんなに重く処罰するのは可哀想だ」

どちらの立場にたって考えるかによって、全く異なる意見になります。

事件を聞いたとき、「もし自分の家族が被害者だったら?」と立場を決めると、重い処罰派に、「自分もたまに不注意があるな」と立場を決めると、軽い処罰派になります。

弁護士は、どちらの立場の人から依頼を受けるかによって、自分の立場が決まり、弁護活動をすることになります。

裁判所としては、結果を重視することになります。「弁当に気を取られて人をひきそうになった」というのと、「弁当に気を取られて2人を死亡させた」というのとでは、大きな違いがあります。

医師が不注意で手術中の患者を死亡させた場合、重い責任を問われます。少しのミスが重大な結果を招くことを認識しており、それだけ重い責任があるからです。

車の運転も同じです。少しのミスが重大な結果を招きます。今回2人の死亡ですが、事故によっては、もっと多くの人の命を奪いかねません。

車の運転は、それほどの危険性を持った行為であることを認識しなければなりません。そうであるがゆえに運転手は重い責任を負い、自動車事故の場合には、業務上過失致死傷罪(5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金)よりも重い自動車運転過失致死傷罪(7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金)が定められています。

改めて考え直してみたいところです。

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