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熊谷9人死傷事故の同乗者判決

 >熊谷9人死傷事故の同乗者判決

2011年2月15日

埼玉県熊谷市で2008年2月に起きた飲酒運転による9人死傷事故があった。

酒に酔って正常な運転ができない状態で運転し、かつ時速100キロ~120キロの高速で運転し、カーブを曲がりきれず、対向車2台と衝突したという。

加害車両の運転手、同乗者、運転手に酒を提供した飲食店の全てが起訴されたこの事件は、世間の注目を集めた。

運転手は、危険運転致死傷罪で懲役16年が確定。

酒を提供した飲食店経営の男は道路交通法の酒類提供違反で懲役2年執行猶予5年が確定。

そして、同乗者2人に対する危険運転致死傷罪が問われた事件の判決が2月14日、さいたま地裁であった。

同乗者2人は、運転者を仕事上指導する立場だという。

運転を止めさせようと思えば、容易にやめさせることができただろう。

そして、運転者が、酒に酔って正常な運転ができないことは、見ればわかっただろう。

また、時速100キロ~120キロになっていれば、危険なことは認識していただろう。

同乗者は、反省の弁を述べていないという。

実際に運転した運転者が悪いのは当然だ。そして、懲役16年が確定している。

では、このような立場にあった同乗者はどうだろうか?

運転者に比べ、どの程度の刑に服するべきだろうか。

検察は、8年を求刑した。

運転者の半分だ。

あなたなら、懲役何年を認めるだろうか。

あなたが裁判員になったら、それを判断しなければならない。

そして、下った判決は、懲役2年の実刑だ。

普段、車を運転する人、よく他人の車に同乗する人は「重すぎる」と言うだろう。

しかし、「もし自分が被害に遭ったら」と思う人、今までに交通事故の被害に遭った人は、「軽い」と思うだろう。

今回の裁判員も、どちらの立場に身を置くかによって、結論が異なるため、悩んだはずだ。

この判決、同乗者も実刑になると社会に知らしめたという意味で、飲酒運転撲滅に向けた意義のある判決である。


危険運転致死傷罪については、以下で解説しています。
http://ameblo.jp/mtanihara/entry-10763777568.html


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