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インプラントで歯科医が書類送検

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2011年7月1日


4年前のインプラント事故で、歯科医が書類送検されました。

ニュースによると、平成19年5月22日、東京都内の歯科医院でインプラント手術の過程で、女性患者の動脈を傷つけて大量出血をしたが、ガーゼで止血するなどしただけで手術を続行し、翌日、女性患者が搬送先の病院で、低酸素脳症や多臓器不全により死亡した、ということです。

容疑は、業務上過失致死容疑です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110801-00000525-san-soci


4年も前の事故が今頃書類送検されるとは、あまりにも長いですね。

歯科医は、女性の動脈をドリルで傷つけたことは認めているものの、当時、手術した位置に動脈があるとは知らなかった」として容疑を否認しているとのことです。

そのため、医学的な問題が浮上しています。

つまり、当時に医学水準で、その位置に動脈があると認知されていなければ、歯科医が最善を尽くしたとしても、その動脈を知らずに傷つけてしまうことがありうる、つまり過失が否定される場合がある、ということです。

そのため、その裏付けを医学界で取る必要があり、4年間も時間がかかったということでしょう。

それにしても、かかりすぎです。

今後、さらに検察庁において、再度検討がなされることになります。

私たち弁護士もそうですが、専門家には、高度の注意義務が課せられており、気を抜くことができません。


また、気になるのは、民事損害賠償がどうなったのか、という点です。

通常、刑事事件が先行し、刑事事件において過失の内容を明らかにした上で民事損害賠償請求をします。

今回、歯科医が過失を否認していることから、支払を拒絶し、示談がなされていないものと思われます。

ということは、訴訟しかないのですが、ご遺族も刑事事件の判断が下るまで損害賠償請求を留保していたことが考えられます。

時効は大丈夫でしょうか?

交通事故などの不法行為の場合には、時効は事故から3年(後遺症の場合には症状固定から3年)です。

そうだとすると、もう時効になってしまったのか。

しかし、今回のような診療契約に基づく場合には、契約責任ですから、債務不履行に基づく損害賠償請求になるので、時効を10年と考えることが可能です。

もう訴訟が起こされているかもしれませんが、まだの場合には、依然として請求可能であり、今後損害賠償請求訴訟が提起される可能性があると思われます。

民事の方でも、過失の有無について、医学論争が行われることになるでしょう。


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