メルマガ | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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  • やらない後悔の大きさ

    2026年02月23日

    あなたは今、心の中で「やってみたいけれど、足踏みしていること」はありませんか?

    転職、新しい趣味、あるいは大切な人への告白や謝罪かもしれません。

    一歩踏み出すには勇気が必要です。

    「失敗したらどうしよう」「今のままでも十分幸せなのではないか」と、現状維持を選ぶ理由を探してしまうのが人間です。

    しかし、人生の最期に振り返ったとき、私たちはどのような決断を悔やむことになるのでしょうか。

    心理学者、トーマス・ギロビッチ氏とビクトリア・メドヴェック氏は、1995年にある研究結果を発表しました。

    彼らの調査によると、人々は「短期的」には行動して失敗したことを後悔する傾向がある一方で、「長期的」に見ると、行動しなかったことを圧倒的に強く後悔するということです。

    つまり、直後は「あんなこと言わなければよかった」「失敗して恥をかいた」と行動したことを悔やみますが、時間が経つにつれてその痛みは薄れ、代わりに「なぜあの時、挑戦しなかったのか」という後悔が亡霊のように現れ、長く心に留まり続けるのです。

    これには「ツァイガルニク効果」が関係していると考えられます。

    これは「達成できた課題よりも、達成できなかった(あるいは中断した)課題の方をよく覚えている」という記憶の特性です。

    「やってしまった失敗」は、結果が出て完結しているため、人は心理的な整理(正当化や反省)をつけて乗り越えることができます。

    しかし、「やらなかったこと」には結末がなく、「もしあの時、勇気を出していたら、素晴らしい未来があったかもしれない」という無限の「IF(もし)」の物語が頭の中で膨らみ続け、いつまでも完結しないことになります。

    そう考えると、何にでも挑戦した方がいいことになりますが、事はそう簡単ではありません。

    ・一歩を踏み出すのは難しい。
    ・続けるのは難しい。
    ・失敗した自分を許すのは難しい。

    など、いくつものハードルを超えなければならないためです。

    このようなハードルの一つ一つを乗り越えるための、自分なりの自己コントロール法を身につけておくことが大切です。

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  • 酸っぱいぶどう、その後。

    2026年02月16日

    (「酸っぱいぶどう」その後)

    キツネが歩いていると、おいしそうなブドウがなった木を見つけました。

    キツネはブドウを取ろうとしてジャンプして頑張りましたが、ブドウを取ることができませんでした。

    キツネは諦めて立ち去り際、「どうせあのブドウは酸っぱかったのさ」と言いました。

    すると、そこに猿が2匹やってきました。

    猿達は、肩車をし、倒れそうになりながらもブドウを取ることに成功しました。

    猿たちはブドウを食べながら「おいしいね」と喜び合っていました。

    それを見たキツネは、「あんな危ないことをしてまでブドウを取るなんて、全く卑しい奴らだ。あんな風にはなりたくないな」と言いました。

    キツネの心理は自己正当化、認知的不協和解消理論で説明できます。

    ブドウを食べたい気持ちとブドウを食べられない現実の不協和を解消するに、ブドウが酸っぱかったことにして、その不協和を解消し、自己正当化を図るしかありませんでした。

    ブドウがおいしいことを知ってしまったら、今度は別の理由を探してブドウを食べないことを正当化するしかありませんでした。

    私たちも、同じことをしていないでしょうか。

    例えば、お金。

    お金が欲しい気持ちと、欲しいだけのお金を得られない現実。

    そこで、私たちは、お金持ちやお金をたくさん稼ぐ人に対して次のような思いを抱きます。

    ・金儲けは卑しい。
    ・金よりも大切なものがあることをわかっていない。
    ・他人からお金を巻き上げるのがそんなに楽しいのか。
    ・私はそんなに金なんかいらない。質素な生活が最も幸せなのだ。

    しかし、そんな人が、たまたまもらった宝くじで1億円当選したら、どうするでしょうか。

    喜んで受け取り、何らかの自己正当化をするでしょう。

    もちろん、このような自己正当化、認知的不協和の解消自体は悪いことではありません。

    自分の心を守るためのものだからです。

    しかし、これを他人に押し付けてはいけません。あくまでも自己完結すべきものです。

    たとえば、自分の認知的不協和解消のための思考である、「金儲けは卑しい」という価値観を子供を押し付けてはいないでしょうか。

    その結果、子供が将来、お金を儲けられる芽をつんでしまうかもしれません。

    この文章を読んで、怒りやモヤモヤ、反論が浮かんできたら、それがまた、自分の心を守ろうとする認知的不協和解消の思考なのかもしれません。

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  • 心理的な安全が力を発揮する

    2026年02月09日

    近年注目されている概念に、「心理的安全性」があります。

    心理的安全性とは、チームの中で自分の意見やミスを率直に表明しても報復や恥をかかされる心配がないと感じられる状態を指します。

    ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授が提唱したこの考え方は、組織やチームの学習力を高める土台になるとされています。

    Google社は、社内でチームの有効性に影響する要素について調査したところ、数ある要素の中でチームの有効性に最も強く影響したのが心理的安全性であったとされています。

    自分の意見やミスを率直に表明しても報復や恥をかかされる心配がない、つまり、心理的に安全な職場では、メンバーは遠慮なく質問や提案ができ、失敗からも学びやすくなるため、結果的に創造性や問題解決力が高まりチーム業績が向上するということです。

    したがって、家族、友人のチーム、趣味やスポーツのチーム、職場等のチームにおいては、心理的安全性を高くすることを目指すことにより、そのチームは望ましい結果を出すことが期待できます。

    リーダーとして心理的安全性の高い環境を作るのであれば、日々の行動を通して心理的安全性を高めることができます。

    たとえば、

    ・話しかけやすい雰囲気を作る。

    ・「この結果は誰の責任なのか?」と責任追求をする前に、「この状態をリカバリーするためには、どうすればいいと思う?」と解決方法を探す。

    ・メンバーに対してオープンに接し、意見をしっかりと聞いて即座に否定しない。

    ・リーダー自らミスや知らないことを認める。

    その結果、挑戦することによる失敗は成功への過程だ、という意識が生まれ、事なかれ主義を死滅させることができるかもしれません。

    ここまで書いて気づきましたが、つまりは、リーダーたる者、人間力を不断に磨いていかなければなりません。

    チームは会社など大きなものに限りません。

    家族もチームですから、まずは、家族内での心理的安全性を高める工夫をしてみることから始めるといいかもしれません。

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  • 銀メダルより銅メダル?

    2026年02月02日

    オリンピックのメダリストに関する研究では、銀メダリストより銅メダリストの方が喜びを感じやすいという結果が報告されています。

    銀メダルの選手は「あと一歩で金メダルを逃した」と悔やみがちです。

    一方、銅メダルの選手は「ギリギリでも表彰台に上がれた」と安堵します。

    同じ結果でも、どこに焦点を当てるかで満足感に大きな差が生まれるのです。

    同じ出来事に遭遇した時も人によって差が生まれます。

    自動車を運転していたところ、横から急に自動車に割り込まれました。

    あわや交通事故です。

    ある人は、危険な運転により自分の安全が脅かされたと感じ、激昂します。

    また、ある人は、交通事故にならなくてよかったと安堵します。

    一つの事実でも、その事実をどう解釈するかによって、肯定的な考えにも、否定的な考えにもなり得るということです。

    また、スタンフォード大学の研究では「ストレスは有益だ」と信じている人は、ストレスを「有害だ」と考える人よりも健康への悪影響が小さいことも分かっているそうです。

    精神科医ヴィクトール・フランクルは、「刺激と反応の間には空間がある。その空間にこそ、私たちが反応を選択する力がある。」という趣旨のことを言っています。

    ポイントは、出来事に直面した瞬間にすぐ反応しないことです。

    そして、「この出来事をポジティブに捉えるには、どう考えたらよいだろうか?」と自分に質問することです。

    または、「気分よくいるために、この出来事をどう解釈したらよいだろうか?」と自分に質問します。

    このようなリフレーミング(捉え直し)の訓練を日々繰り返すことで、少しずつ物事を前向きに捉える心の習慣が育まれていきます。

    私たちはパブロフの犬ではありません。刺激と反応の間に自分の選択を挟み、自分の心の持ちようをコントロールしていきたいものです。

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  • 退屈は危険です。

    2026年01月26日

    こんな研究があります。

    ロンドン所在の35歳から55歳のイギリス公務員に意識調査が行われました。

    彼らに「過去4週間の退屈の程度」について質問がされました。

    そして、その約20年後に追跡調査がされたそうです。

    すると、「とても退屈している」と答えた人たちは、「全く退屈していない」と答えた人たちよりも、追跡期間中の心血管疾患による死亡リスクが高かったと報告されています。

    これは、観察研究なので、科学的に証明されているわけではありません。

    しかし、参考にはなります。

    この研究者の見解としては、慢性的な退屈を感じる人は、

    ・喫煙量が多い

    ・飲酒量が多い

    ・身体活動量が少ない

    ・全般的な健康状態が悪い

    など、不健康な生活習慣や健康状態とセットになっていることが多いということです。

    確かに、退屈な大人は、家でゴロゴロして酒を飲んでそうですね。

    そう考えると、会社を定年退職した後、家でゴロゴロしている生活を送っている人は危ないかもしれません。

    他人と接しないと、強いストレスを感じないという利点はあるかもしれませんが、「退屈である」ということ自体が強いストレスになっている可能性もあります。

    そして、それが死亡の可能性を高めているかもしれない、ということです。

    そう考えると、自分の活動の空白期間を作らないため、次に取組むことを決めてから、仕事を辞めるのが良いのかもしれません。

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  • ストレスを乗りこなす

    2026年01月19日

    あなたは、今、ストレスを感じていますか?

    「仕事で残業が続いている」
    「配偶者に無視される」
    「生活が苦しい」
    「SNSの情報処理が追いつかない」

    ストレスがたまると、

    ・抑うつ感が高まる
    ・集中力や判断力が低下する
    ・自律神経の乱れが生じる
    ・免疫力が低下する

    などの多くの弊害があります。

    そこで、私達は、

    ・いかにストレスを避けるか
    ・ストレスを感じた時にいかにそれを解消するか

    を工夫することになります。

    しかし、もう1つ方法があります。

    それは、「考え方を変える」という方法です。

    1998年にアメリカで行われた研究及びその後の追跡調査では、強度のストレスを感じている場合には、死亡リスクが43%高まった、ということです。

    但し、死亡リスクが高まったのは、強度のストレスを感じていた参加者のうち、「ストレスは健康に悪い」と考えていた人たちだけで、そう考えていない人は死亡リスクは高まっていない、ということだったそうです。

    つまり、「ストレスを感じるから死亡リスクが高まる」のではなく、「ストレスを感じており、この状態は健康に悪い」という考え方を持っているからこそ、本当に健康に悪くなる、という仮説が成り立つ、ということです。

    ですから、私達は、「ストレスは健康に良い」「ストレスは精神面に良い」と考えを変えることにより、ストレスと共存することが可能、ということです。

    では、どのように考えれば、ストレスを良い方向で考えられるか、についてですが、この点は長くなるので、またいつか。

    一つだけあげておくと、「火事場の馬鹿力」は、強烈なストレスを受けた時二、ストレス反応が起き、驚異的な身体能力が発揮される現象です。

    スポーツ選手が強いプレッシャーの状態で最高のパフォーマンスを発揮するのも同じですね。

    日常的にストレスから逃げられない人は、ストレスにポジティブな解釈をしてみることもご検討ください。

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  • 完璧主義の弊害

    2026年01月12日

    私たちはつい、「完璧を目指すことが良いことだ」と思いがちです。

    確かに、細部までこだわる姿勢は素晴らしいことです。

    しかし、その「完璧主義」が自分を苦しめてしまうことがあります。

    完璧主義の人は、「ミスをしてはいけない」「常に最高の結果を出さなければならない」と考えます。

    一見、向上心が高く見えますが、実際には、「失敗への恐れ」に支配されていることが多いのです。

    その結果、

    ・新しいことに挑戦できない

    ・他人の目を気にして疲れてしまう

    ・自分を責め続けてしまう

    という状態に陥りがちです。

    完璧を目指すあまり、「行動する勇気」を失ってしまうのです。

    そこで、完璧を目指すのではなく、その時の最善を目指し、その後改善を続ける、という思考が出てきます。

    たとえば、アップル創業者のスティーブ・ジョブズも、製品の細部にこだわる一方で、「完璧さより、まず世に出すこと」を重視していました。

    iPhoneも、初期モデルは決して完璧ではありませんでした。

    それでも、彼は「出して、改善する」というサイクルを信じていたのです。

    完璧を求める人ほど、自分の欠点を許せません。

    しかし、欠点があるからこそ人間らしい。

    完璧でないからこそ、成長できる余地があるのです。

    ピカソは生涯で約14万点もの作品を残しました。

    その全てが傑作ではありません。

    彼自身も「何を描きたいかは、描きはじめてみなければわからない。」と語っています。

    私達は、完璧な存在ではありません。

    「パーフェクトより、ベストを尽くそう」

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  • 孤独感を和らげる方法

    2026年01月05日

    スタンフォード大学の心理学者、グレゴリー・ウォルトンとジェフリー・コーエンが行った実験があります(2011)。

    彼らは、大学に入学したばかりの新入生92名を対象に、1時間だけのある体験をしてもらいました。

    その体験とは、「先輩たちも最初は孤独だったが、時間とともに仲間ができていった」という話を読むことです。

    その後、被験者自身が「自分の経験もそうだった」と文章を書き、それを将来の新入生に伝えるビデオメッセージとして撮影しました。

    このわずか1時間の体験が、驚くほどの効果を生みました。

    被験者の成績は、3年間で大きく上昇。

    アメリカの大学では、マイノリティと非マイノリティの成績格差が大きいらしいのですが、この成績格差が約52%縮小。

    ところが、白人学生には有意な影響はなかった、ということです。

    研究者が出した結論は、「自分はここに属している」と感じられるだけで、不安やストレスが減り、学習・健康・幸福の好循環が生まれる、ということです。

    そして、今の孤独感等は、「所属感の危機を一時的・普遍的なもの」と再解釈させることで、マイノリティ学生の心理的防御反応を和らげたということになります。

    この実験結果を、自分の人生に、どう応用できるでしょうか。

    現在の自分が属する組織で孤独感を感じていたり、はじめたばかりの仕事で失敗ばかりして自信を喪失していたり、などの状況に置かれている場合に応用できるでしょう。

    そのような人は、自分と同じような状況に置かれていた人が、その後、孤独だった人が仲間を増やし、自信を喪失していた人が成功の階段を登っていった、という体験談を読んだり聞いたりすればいい、ということです。

    AIに指示すれば、どこからか探してきてくれるでしょう。

    そして、体験談を読んだら、自分がその状況を克服したことを前提として、将来の同じような境遇に悩む人向けの手紙を書いたり、実際に話してみたりすることです。

    それによって、現在の状況を、「将来成長するための一時的な環境・プロセスに過ぎない」と、解釈しなおすことが可能になるでしょう。

    それにしても、便利な時代になりました。

    上記の論文は英語で書かれたものですが、AIがすぐに日本語に翻訳してくれるのです。

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  • 孫悟空に学ぶ

    2025年12月19日

    孫悟空は、岩の中から生まれた石の猿です。

    天に昇り、神々すら恐れるほどの力を身につけました。

    筋斗雲で空を駆け、如意棒で鬼神を打ち払います。

    しかし、その圧倒的な力が、天帝の怒りを買い、最終的に五行山に封じられてしまいます。

    孫悟空は、自分の力を過信し、自分には何でもできると思っていました。

    他の存在を尊重することをしませんでした。

    このようなことは人間世界にも見られます。

    権力、知識、技術、影響力など、何らかの力に入れると、「自分の力を正義だ」と錯覚しがちです。

    ・権力を振りかざし、威張り散らす社長や上司。

    ・知識をひけらかし、他人を見下す同僚。

    私もそんな経験があります。

    口下手だった私は、司法試験の勉強を通じて、議論をする力を身につけることができました。

    そうすると、その力を使いたくなります。

    他人に議論を仕掛け、論破をする快感から、いろんな人に議論を挑むようになってしまったのです。

    自尊心、自己重要感が暴走してしまったのです。

    しかし、その結果、友人たちは私と話すのを避けるようになりました。

    五行山の下に封じられた悟空は、やがて三蔵法師の弟子となります。

    法師の手には、悟空を縛る「金箍児(きんこじ)」があります。

    暴れるたびに、頭が締め付けられる痛み。

    それによって、孫悟空の力をコントロールしました。

    私達も金箍児を持つ必要があります。

    それが、「自己規律」です。

    自己規律により、自尊心・自己重要感の暴走を抑える必要があります。

    そして、相手の立場に立って物事を考える必要があります。

    そうしないと、孫悟空が五行山に閉じ込めれたように、私達も何らかの報いを受けることになるでしょう。

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  • 怒るかどうかを決めているのは自分

    2025年12月15日

    ビジネスの現場では、理不尽なこと、不快なこと、思い通りにいかないことが日常茶飯事です。

    取引先の急な要求、上司の一言、部下のミス。

    こうした出来事のひとつひとつに、私たちは心をかき乱されます。

    自然と怒りが湧いてきます。

    しかし、実は、怒りは、「自然と」湧いてくるものではなく、「私達が怒りの炎に火をつけている」のです。

    たとえば、部下がミスをしたとき。

    「またか」と腹を立てる人もいれば、「同じミスが起きる原因を一緒に考えよう」と前向きに対応する人もいます。

    同じ出来事でも、感情の質がまるで違います。

    違いを生むのは、出来事をどう解釈するか、です。

    ヴィクトール・フランクルは、ナチスの強制収容所での凄惨な体験を記した『夜と霧』が世界的ベストセラーとして知られています。

    彼は、次のような趣旨のことを言っています。

    「あらゆるものを奪われた人間に残されたたった一つのもの、それは自分のあり方を決める自由である。」

    私たちは環境を完全にコントロールすることはできません。

    しかし、「その環境にどう向き合うか」は、常に選択できます。

    この「態度の自由」こそが、精神的な強さであり、リーダーシップの土台でもあります。

    そして、解釈は、自分に対する質問次第です。

    「こいつは、何回ミスをして、何回、私が尻拭いをしたと思っているんだ?」と質問すれば、怒りが湧いてきます。

    「なんとか、次回にミスを防ぐ方法はないだろうか?その時に備えて準備しておくツールはないだろうか?」と質問すれば、思考が動き出します。

    目の前の出来事にマイナスに反応するのも、自由。
    目の前の出来事をプラスに変えるのも、自由。

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