メルマガ | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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  • ナッジ

    2024年11月18日

    今回は、行動経済学。

    行動経済学は、合理的な人間を想定する伝統的な経済学に対するもので、人間が実際にどのように意思決定を行うかを理解するために、心理学や社会学の知見を取り入れた経済学の一分野です。

    その中に、「ナッジ」というものがあります。

    これは、人々の意思決定を誘導するために、選択肢の設計や環境を微調整することで、強制ではなく、自分の意志による行動を促す手法です。

    例えば、駅や公共施設の階段に「ここまで登って〇カロリー」という表示を付けることで、エスカレーターではなく階段を選ぶ人が増加した、という例があります。

    面白いですね。

    他にも、イギリスのNPO団体が、タバコのポイ捨てを減らそうと考え、灰皿を人気サッカー選手の名前を記載した投票箱に変え、喫煙者が吸い殻を箱に入れて「投票」するよう促したそうです。

    すると、ポイ捨てが大幅に減少したとのことです。

    石破首相の灰皿の投票箱を設置した場合、人々が投票するかどうか、見てみたいものです。

    また、健康のため、「ワンサイズ小さい服を日頃から着る」というものもあります。

    これにより、太ってその服を着られなくなることへの危機感を常に感じさせ、食の誘惑に負けにくくなるという効果が期待できるそうです。

    私は、40代半ばまで、毎日夜中まで飲み歩き、夜中にラーメンを食べていました。

    だんだんとスーツのスラックスのお腹の部分がきつくなってきます。

    確かにスラックスが穿けなくなる危機感を常に感じました。スーツは安くありません。

    ラーメンを控えれば、まだまだ穿けそうです。

    そして、私はどうしたか。

    間もなくスラックスが穿けなくなり、新しいスーツを購入しました。

    「ナッジが効かんのかい!」

    ナッジは必ず成功するものでもないようです。

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  • 3つのタブー・クエスチョン

    2024年11月11日

    今回は、「質問力」。

    拙著「いい質問が人を動かす」より、7つのタブークエスチョンのうちから3つ取り上げます。

    1 ノー・アンサー・クエスチョン

    これは、質問のようでいて、相手の答えを求めていない質問です。

    「何度注意されれば気が済むんだ?」

    などがこれにあたります。

    「3回注意されれば気が済みます!」

    などと答える人はいませんね。

    また、「質問があります」と言いながら、ずっと自説を展開する人もこれにあたります。

    相手の時間を奪っているだけですね。

    先程の質問は、たとえば、「2度と同じ失敗を繰り返さないためにできることは何だ?」などと言い換えることができます。

    2 相手の答えを即座に否定する

    相手に質問しておきながら、相手が答えると、即座にその答えを否定するケースです。

    相手に質問しておきながら、相手が答えると、「全くわかってない!」などと否定します。

    学校の先生なら理解度テストとしていいかもしれませんし、利害の対立する交渉中なども許されますが、相手との関係を良好に保ちたい場面では避けたいところです。

    このような人は、自分を優位性を示したい気持ちが表れており、答えてくれる相手に対する敬意が欠けている可能性があります。

    3 質問の連打

    質問しておきながら、相手の答えを待たず、次の質問に移る行為です。

    「これは、どういう考えで行動したの?」
    「えーと・・・」
    「いいと思ったの?その根拠は?」

    などが、その例です。

    人は、質問されると、その質問に応えようとして、思考を発生させ、特定の方向で考えます。

    しかし、答える前に別の質問をされると、その思考が断絶され、また違う思考を始めなければなりません。

    これも、自分の質問したい気持ちに支配されてしまっており、相手に対する敬意が欠けている可能性があります。

    やっていいのは、相手が答えに窮している場合です。

    以上、3つのタブークエスチョンです。

    普段、自分も無意識にしていないか、思い返してみましょう。

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  • 誘導尋問に気をつけよう。

    2024年11月04日

    裁判で証人に対する主尋問(証人申請をした側からする尋問で、反対尋問に対する用語)では、「誘導尋問」が禁止されています。

    誘導尋問は、尋問者が誘導したい答えを暗示しながら行う尋問です。

    例えば、犯人が殴ったのを見たとも見ないとも証言していない証人に対し、「あなたは、犯人が被害者を殴った時、どの地点にいましたか?」などと質問することです。

    証人は、「A地点にいました」などと証言することにより犯人が被害者を殴ったことを前提とした証言をしてしまうことになります。

    「そんな質問者の意図なんか、すぐわかるから、騙されないよ」と思うかもしれません。

    この実験がありました。

    被験者は、自動車が走行していて、衝突する映像を見せられました。

    その上で、「自動車は、どのくらいのスピードでガシャンとぶつかりましたか?」と質問されると、「ガラスが割れたことを憶えています」と回答しました。

    ところが、実際の映像では、ガラスもヘッドライトも割れてはいませんでした。

    つまり、質問の中に「ガシャン」という男を挿入することにより、記憶がすり替わってしまったのです。

    無実の罪で逮捕された人が、連日取り調べを受け、「お前がやったんろう?」「なぜ殺したんだ?」などと、真犯人であることを前提とした尋問をされ続けることによって、いつの間にか自分がやったような気になってくる、ということもありうることなのかもしれません。

    ですから、私達は、他人に質問をし、情報を引き出そうとする時には、できる限り偏見や予断を排除し、ニュートラルな質問をするように努力しなければなりません。

    しかし、反対に、相手を説得しようとする場合には、誘導的な質問は威力を発揮する、ということになります。

    慎重に質問を使い分けるようにしましょう。

  • なぜ、きりのいい数字にしてしまうのか?

    2024年10月28日

    こんにちは。

    弁護士の谷原誠です。

    こんな経験は、ないでしょうか。

    「夜、万歩計を見たら、9,930歩だった。家の中で70歩歩こう。」

    「ネットフリックスで連続ドラマを観ていて、寝る時間になったのに、1つのドラマの最後まで観てしまう。」

    「腕立て伏せの回数を『自分の限界まで』ではなく、『10回』など、きりの良い回数に設定する。」

    これは、「単位バイアス」が関係しています。

    人は、物事の適切な数や量をある「単位」で認識する傾向があり、単位が変わることで我々の認識や行動が変化するというバイアスのことを指します。

    9,930歩も1万歩も健康にはほとんど影響がないのに、1万歩にしたくなります。

    連続ドラマは、1つのドラマの最後は、必ず次を観たくなるシーンで終わります。そうであれば、途中のだらけたシーンで辞めても一向に構わないのに、最後まで観たくなります。

    腕立て伏せで筋力や筋肉をつけたかったら、自分の限界を超えるようにすべきです。しかし、筋トレに関する知識がない場合、ついついきりの良い回数を設定してしまいます。

    このメルマガでは、勉強や仕事の休憩について、何度もお伝えしてきました。

    「休憩は、疲れる前に取る」

    これが最も作業における集中力を高め、疲労を早く回復する方法です。

    しかし、多くの人は、

    「あと10ページやれば、今日は100ページやったことになる。そこまで頑張ろう。」

    「あと23分で15時だ。15時まで資料作成を頑張ろう。」

    などと、量や時間で休憩を取ろうとします。

    しかし、その結果、疲労が限界に達し、集中力が低下し、また、休憩をとっても疲労が回復しないという結果になる場合があります。

    これは、単位バイアスが作用しているといえます。

    このように、単位バイアスは、日常のいろいろな場面で、無意識に私達にマイナスに作用している可能性があります。

    知っているだけで回避できることもあるので、日常の物事の単位に対する「意識」を「意識的に」観察するようにしましょう。

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  • 交渉における協力志向・競争志向

    2024年10月21日

    交渉における基本スタンスには、交渉相手と協力しあって目的を達成しようとする「協力志向」と、相手との勝負と考えてできるだけ得をしようとする「競争志向」があります。

    私の交渉術の本を読んでいただいた方は、私が基本的には「協力志向」であることをご理解いただいていると思います。

    では、果たして「協力志向」と「競争志向」では、どちらが優秀なネゴシエーターになれるのでしょうか。

    アメリカの2つの大都市で弁護士を対象にした研究によると、同僚から「できるネゴシエーター」と評価されている弁護士のうち、75%が「協力志向」だったそうです。

    また、イギリスの研究では、会社の労使交渉の担当者49人について実際の交渉の場における言動を調査したところ、特に優秀な人たちのほとんどが、「協力志向」だったそうです。

    この結果だけを見ると、一般的には、「協力志向」の方が、優秀なネゴシエーターになりそうです。

    しかし、アメリカ元大統領のトランプ氏は、「競争志向」に見えます。

    「●●をしろ。さもなくば●●をするぞ!」というような脅し型の交渉スタイルのようです。

    それでも不動産王になるくらいですから、交渉でも結果を出してきたのではないか、と推測します。

    つまり、このような研究結果があっても、交渉は、人間対人間が行うものなので、その時その時で有効な方法が違うものですし、何より、自分に合った交渉スタイルかどうかがとても重要です。

    自分が協調型なのに、無理に競争志向の交渉スタイルをとってもうまくいくはずがありません。

    まずは、自分に合った交渉スタイルは、どのようなものなのか、それを決めること、そして、その後にその交渉スタイルでの交渉力をつけていくこと、が大切だと思います。

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  • 韓非子の説得術

    2024年10月14日

    他人を説得するのは、なぜ、こんなにも難しいのでしょうか。

    どこが難しいのでしょうか。

    それは、「韓非子」が教えてくれます。

    韓非(韓非子)は、中国戦国時代の法家思想を代表する思想家です。

    その中に、君主を説得する難しさについて説いた箇所があります(説難篇)。

    韓非子は、説得のいくつかの要素を挙げます。

    ・説得する内容に関する知識を十分に持っていること。

    ・自分の考えをはっきり伝えるまで話すこと。

    ・自分の考えを自由自在に伝える弁舌。

    しかし、これらは、全て難しいことではない、と断じます。

    韓非子は、説得において、最も難しいのは、

    ・相手の心を読み取って、

    ・自分の言葉を相手の心に合わせて話すこと

    ができるかどうか、だと言います。

    そして、次の例を挙げます。

    人は利益を求めるものであるから、相手に大きな利益が得られると説得するとします。

    ところが、相手が名誉を強く求める人である場合、自分のことを下品で俗物扱いされた、と感じ、説得に応じないであろう、と言います。

    この場合は、説得に応じた方が、大きな名誉を得られる、という方向で説得しなければならないわけです。

    私の交渉術に関する本を読んでいただいた方であれば、この考えに同意するでしょう。

    私も同意します。

    そして、相手がどんな価値観を重視するかを見極め、その価値観に合わせた説得方法をとる方法について、1冊書いています。

    興味があれば、ご一読をお願いいたします。

    「7タイプ別交渉術」(秀和システム)
    https://www.amazon.co.jp/dp/B08CRD41GK/
    口コミレビュー(4.1)です。

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  • 心理的リアクタンスにご注意を。

    2024年10月07日

    こんにちは。

    弁護士の谷原誠です。

    若いロミオとジュリエットは、出会うなり恋に落ちます。

    しかし、周囲は猛反対。

    反対されればされるほど、二人はより強く惹かれ合うことになります。

    周囲は、二人を別れさせようと説得行動を取っているわけですが、これが逆効果になっているわけです。

    心理学の概念に、「心理的リアクタンス」というものがあります。

    これは、人が自由に行動できる権利や選択肢が制限されたり、脅かされたりしたときに、それに対して反発し、反対の行動や選択肢を強く求める心理的な反応のことをいいます。

    私達は、他人を説得しようとする時に、概して、この心理的リアクタンスに反した行動を取ろうとします。

    自分のため、あるいは相手のことを思って説得しようとする時、自分の考えを相手に押し付けようとするのです。

    ロミオとジュリエットの周囲の人たちもしかり。

    親は、子供が幸せに生きられるように、よく勉強して良い大学に入り、よい就職ができるようにと願って、「勉強しろ」と説得します。

    しかし、子供の側は、そう言われた途端、やる気がなくなって、むしろ反抗して勉強をしないという選択を取りたがります。

    では、どうすればいいか、ということですが、相手が自分で考えて決定した、というプロセスを作り出すことです。

    そのためには、やはり質問が効果的ということになります。

    質問は押し付けではありません。

    人は、質問されると、そのことについて考え、答えを出そうとする性質を持っているからです。

    しかし、ただ質問すればいい、というわけではありません。

    たとえば、子供の対して、「宿題はやったの?」と質問するのは、子供に考えさせて答えを出させようとしているのではなく、「宿題はやったの?(やってないなら、さっさとやりなさいよ)」と、やはり自分の考えを押し付けているに過ぎないためです。

    では、どのように質問すればよいのでしょうか。

    次の本が、そのヒントになるでしょう。

    Amazonでレビュー星4.5です。
    「人生を変える「質問力」の教え」
    https://www.amazon.co.jp/dp/B07V4PW8FP/

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  • 波平のパラドックス

    2024年09月23日

    頭に髪の毛が1本もない人のことを、一般的に「ハゲ」といいます。

    では、「サザエさん」の波平は、どうでしょうか。

    髪の毛が1本ありますが、やはりハゲでしょう。

    では、波平の兄の海平は、どうでしょうか。

    髪の毛が1本増えて2本ありますが、やはりハゲでしょう。

    では、もう1本足して3人になったらどうか、というのを繰り返していくと、最終的には髪の毛がふさふさになってもハゲになってしまいます。

    しかし、そうすると、はじめの「頭に髪の毛が1本もない人のことを、一般的に「ハゲ」という」という前提と矛盾することになってしまいます。

    これを、「波平のパラドックス」といいます。(元は、古代ギリシャの哲学者エウブリデスによる「ハゲ頭のパラドックス」です。)

    世の中には、このように境界が曖昧な言葉が溢れています。

    議論する際に、言葉の定義を明確にせず、「斬新な」「骨太」「古い」「大きな」など、人によって解釈の異なる用語を前提にしていると、議論がちぐはぐになってしまう可能性があります。

    たとえば、仏像を造る計画をたてる時、田中さんが、「大きな仏像」を2メートルの仏像と考えて議論し、山本さんが「大きな仏像」を20メートルの仏像と考えて議論していたら、設置する場所、材料、予算など、全く噛み合わないものとなります。

    筋トレもしかりです。よくあるのが、「自重トレーニングで筋肉がつくか」という激しい議論です。

    ある人は「自重トレで筋肉はつく」と主張し、ある人は「自重トレでは筋肉はつかない」と主張します。

    SNSでも活発に議論されます。

    しかし、この議論も前提が不明確なため、噛み合いません。

    「筋肉がつく」という到達地点が、「細マッチョの筋肉」「体操選手のような筋肉」「ボディビルダーのような筋肉」のどれであるかによって、全く違った議論になるためです。

    私たちは、日常的に他人と議論をしていますが、「なんか噛み合わないな」とか「どうしてこの人は理解してくれないのだろう。簡単な議論なのに。」と感じた時は、お互いの議論の前提が異なっていないかどうか、確認するのがよいでしょう。

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  • ストレスに対処する

    2024年09月20日

    こんにちは。

    弁護士の谷原誠です。

    あなたは、普段、イライラしてストレスがたまっていませんか?

    「仕事で帰り際に上司から急ぎの仕事を頼まれる」
    「夫婦間で家事の分担が不公平だ」
    「子供が勉強しない」
    「恋人・友人にメッセージを送っても返信がない」

    ストレスがたまると、病気のリスクが高まり、不安やうつに繋がりやすくなり、集中力が低下し、睡眠障害の可能性が高まるなど、多くの弊害があります。

    そこで、今回は、ストレスを低下させる簡単な方法をご紹介したいと思います。

    1 深呼吸

    その場ですぐに行えるストレス対策は、深呼吸です。

    アメリカのペンシルベニア大学の研究で、テスト期間中の学生のストレスを減らす対策を調べたところ、ポジティブシンキングやタイムマネジメントなどを抑え、「深呼吸」が堂々の1位となったそうです。

    ストレスを感じると、人間の呼吸は早く浅くなります。

    そこで、深呼吸により、その自然の状況に介入することで、認知的不協和解消理論により、身体の状態に心の状態を一致させるという手法です。

    2 自然音を聴く

    次に受動的な方法として、スマホで自然の波の音、川の音、森の音などをすぐに聴けるように準備しておき、ストレスを感じたら、すぐに自然音を聴く、という方法があります。

    イギリスのサセックス大学の実験で、学生に「自然音」「人工音(車の音など)」を聴かせた上で、ストレス度をチェックしたところ、自然音を聴いた学生は、副交感神経が活性化してリラクゼーション反応が大きかったそうです。

    3 エクスプレッシブ・ライティング

    最後は能動的な方法で、意志力が必要となります。

    ストレスを感じたら、その時の感情や思考を包み隠さず書き記す、というものです。

    これまでに多くの研究があり、不安やストレスへの効果が広く認められている、ということです。

    心配や不安は、常に頭から離れないものですが、ストレスの素を書き出すことで、いったん心配事を棚卸しすることができ、そこから離れることができるということです。

    ここで、他人に対する愚痴などの場合、ブログやSNSに書き出すことは、私個人としてはおすすめしません。

    なぜなら、ブログやSNSは他人に開示され、他人に対し、ネガティブな影響を与えるためです。

    スマホのメモなど、自分だけが見ることのできる媒体に書き出すことをおすすめしたいと思います。

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  • 他人の失敗で快感

    2024年09月09日

    こんにちは。

    弁護士の谷原誠です。

    「人生がうまくいく脳の使い方」(中野 信子 (著), ユカクマ (イラスト))の中に、面白い実験結果が書いてありました。

    他人の不幸に対する反応で男女差があるかどうか、というものです。

    「公正だと思う人」が苦しんでいるのを見た時は、男女ともに共感や痛みを感じる前帯状皮質が反応したそうです。

    しかし、「公正でないと思う人」が苦しんいるのを見た時には、女性は同じく帯状皮質が反応したにもかかわらず、男性は、脳の快感と関連する腹側線条体が反応したそうです。

    女性の方が共感力が高い、という結果は納得ですね。

    男性の場合は、公正でない人が苦しむのは、当然の報いだ、との感情が強いのかもしれません。

    あるいは、猿の時代のように、他人を蹴落としでも自分を地位を確保しようとする本能が残っているのでしょうか。

    次に、これは男女ともの実験ですが、反対に、他人(実験では同窓生)が成功しているのを見ると、不安や痛み、不快を感じるそうです。

    これは普段から経験しています。

    成功した同窓生と自分を比較して、自尊心が傷つくからですね。

    そして、その成功した同窓生が不幸に陥った場合には、快感の領域である腹側線条体が反応したそうです。

    私たちは、なんと罪深い脳を持っているのでしょうか。

    人格を成熟させ、この脳をコントロールする境地に到達したいものです。

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