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無重力から運動を考える
2025年10月20日宇宙のような無重力状態にいると、重量に抵抗するための脚・体幹部・首などの筋肉が著しく萎縮し、骨密度も減少するそうです。
その環境下で生きるために必要がないためですね。
他方、無重力状態では、上下・左右・前後の感覚が曖昧になるため、空間認識能力が向上したり、空間での動作の運動能力が向上するそうです。
人間の身体の適応力は驚くべきものがありますね。
人間は成長のピークを過ぎた主に三十代以降は、筋肉や運動能力は衰えていきますが、これも生きていくために必要がないためと考えられます。
だから、「運動しよう」ということになります。
次に考えることは、
「じゃあ、散歩からはじめようか」
「ジョギングしようか」などと考え出します。
しかし、ここで考えたいのは、筋肉や筋力を維持したい、という目的です。
運動は、その手段です。
ということは、目的を達成するための手段でなければならない、ということです。
無重力状態で重力に抵抗する筋肉が衰えるのは、その筋肉が必要ないためです。
運動として散歩のみを行う場合、この原理から考えると、「歩くための筋肉を超える筋肉は必要ない」ということになります。
たとえば、「階段を登る」筋肉は必要ない、ということになり、いつか階段を登ることができなくなる可能性があります。
したがって、筋肉や筋力を維持したい、という目的を設定した場合は、それだけの力を出力する運動をし続けなければならない、ということになります。
私は、そのような観点から、
・全身を使う筋力トレーニング(見える筋肉を大きくするいわゆるジムでの筋トレとは区別する)
・たまに坂道ダッシュ
・心肺機能が苦しくなる運動
などを組み合わせて朝練を行っています。
私と同じような観点ではなく、
「運動を楽しみたい」
などの目的を設定する場合は、全く異なるアプローチになります。
また、運動能力ではなく、
「脂肪を減らしたい」
など身体組成に関する目的を設定する場合も、異なるアプローチになります。
「ただ、このスポーツが好きでやりたい」
という場合も、やはり異なるアプローチになります。
したがって、私のアプローチは、ただ単に、「こういうアプローチがあります。」という一つのやり方に過ぎません。
それに、運動して吐きそうになっているのですから、むしろ身体に悪いことをしているのかもしれません。
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なぜ押し付けの説得は効果がないのか?
2025年10月13日こんにちは。弁護士の谷原誠です。
アメリカには、1920年から1933年まで、「禁酒法」という法律があり、アルコール飲料の販売等が禁止されていました。
しかし、人々は、この法律を守らず、地下酒場や密造酒が増え、ギャングの資金源にもなったといいます。
これは、「心理的リアクタンス」の代表例です。
心理的リアクタンスは、「自由が脅かされている」と感じたときに、それを回復しようとする心理的な反発反応のことです。
人々は、「飲酒をする自由が奪われた」と感じ、これに反発したと考えられています。
私も若い頃は、この心理的リアクタンスを知らなかったので、多数の失敗をしました。
業務に影響があるところでは、弁護士として、依頼者と方針を協議する時に、一方的に意見を押し付けようとして、反発を受け、説得に失敗したことが何度もありました。
私は、依頼者のためを思って説得したにもかかわらず、反発を受け、理由が全くわかりませんでした。
その後、心理的リアクタンスを知り、私の説得が失敗したのが、私の押し付けの説得方法にあったことがわかりました。
世の中の多くの人も私と同じように心理的リアクタンスのせいで、説得に失敗していることでしょう。
代表的な事例としては、子どもに対して、「勉強しなさい」「宿題をやりなさい」と一方的に命じることです。
自分の子ども時代を思い出していただければわかると思いますが、こう言われた途端、急速にやる気がなくなっていきます。
つまり、心理的リアクタンスのせいで、逆効果になってしまうのです。
この心理的リアクタンスを知っているだけで、他人を説得できる確率は、ある程度上がることでしょう。
但し、自分で気づかない場合も多いので、常に頭に置いておく必要があります。
では、心理的リアクタンスに妨害されずに、他人を説得するには、どうしたらいいでしょうか。
このメルマガの読者であれば、すぐ答えは出るでしょう。
「質問すること」
質問力を学ぶには、以下が良いと思います。
「人生を変える「質問力」の教え」
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必要な時間は膨張する。
2025年10月06日・ある仕事が完了したのは、締切日の朝だった。
・レポートを完成したのは、締切の前日だった。
・夏休みの宿題が終わったのは、夏休みの最終日だった。
このような経験は、あなたにもあるでしょう。
中には、締切日を過ぎてしまう人もいるでしょう。
「パーキンソンの法則」というものがあります。
これは、「仕事は、与えられた時間を全て満たすまで膨張していく」というものです。
締切を設定した途端、その仕事は、その締切までの間、膨張し続けるので、締切が3日後であれば、それまで、7日後であれば、それまでずっと膨張し続けていく、という考え方です。
「エメットの法則」は、これを言い換えたものと言えます。
これは、「ある作業を終えるために必要な時間とエネルギーは、締切直前まで膨張する」というものです。
仕事量にフォーカスするか、仕事に費やす時間などにフォーカスするかの違いですね。
パーキンソンの法則もエメットの法則も、時間の経過にしたがって、仕事量や費やす時間に対する自分の感覚が変化する、という考え方です。
しかし、そうではなく、作業を始める前に、私たちは、すでに錯覚に陥っているのだ、と考えたのが、ダニエル・カーネマンらです。
人間には、あるプロジェクトにおいて、それにかかる時間やコストを過小評価し、楽観的に見積もってしまう傾向があり、これを「計画錯誤」と呼びました。
計画錯誤の原因としては、いくつか考えられており、例えば、計画段階では、プロジェクトの詳細を完全には理解していないため、やらなければならない作業の見落としがあります(だから、パーキンソンの法則のように、作業量が膨張するように感じる。)。
また、私たちの生活では、急な仕事や雑用など日常的にイレギュラーなことが起こりますが、これは計画の中には含まれません(だから、エメットの法則のように、作業を終了するまで時間やエネルギーが膨張するように感じる。)。
このような考え方から、
「では、全てを想定して綿密に計画して、確実に実行しよう」
と考える人は、自分の能力を過大評価していると言わざるを得ません。
計画錯誤を回避することは不可能と考え、
・本当の期限より前に「自分の期限」を設定する。
・イレギュラーに備え、空白の時間を設定する。
という程度が、私たち凡人の計画錯誤対策となるでしょう。
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運動は死亡率を下げる?
2025年09月29日運動が身体に良いことは誰でも知っています。
しかし、なぜ、運動が身体に良い影響を与えるのか、という点は、まだ完全に解明されていないようです。
研究もデータを集めて研究する観察研究にとどまっています。
しかし、十分に参考になります。
AMERICAN COLLEGE ofCARDIOLOGYに掲載された記事によると(米国心臓病学会誌に発表されたとのこと)、次のような結果が出たそうです。
ランニングと長寿との関係を調査するため、15年間にわたり、18歳から100歳までの成人約55000人を調査。
その結果、ランニングをしない人に比べて、ランニングをする人は全死因による死亡リスクが30%低く、心臓病または脳卒中による死亡リスクは、なんと45%低かったということです。
また、ランニングをする人は、しない人に比べて平均3年長生きしたとのことです。
この結果から、ランニングという「運動」が死亡リスクを低下させると結論付けることはできません。
また、一口に「ランニング」といっても、頻度、距離、時間、強度など、筋肉や心肺機能への負荷、血圧の上昇程度も様々です。
ただ、ちょっと古い記録ですが、2007年の厚生労働省の資料に、運動不足と関連する非感染症疾病による死亡数が年間5万人というものがあります。
https://www.mhlw.go.jp/file/03-Daijinkishakaiken-10203000-Daijinkanbousoumuka-Kouhoushitsu/0000026005.pdf
1位は喫煙、2位は高血圧であり、運動不足が堂々の3位です。
どのような運動かはまだ証明されていませんが、何らかの運動が身体に良い影響を与えることは疑いないように思います。
そうなると、今のところは、このような研究を参考にしつつ、自分の身体でテストするのが望ましいと考えます。
そして、私の体感的には、筋力を使う全身運動で、心肺機能が苦しくなるくらいの強度(終わった後、しばらく動けない)くらいの激しい運動が、健康に良いように感じます。(今後の研究でも、反対説の方が多そう。)
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どこに集中すべきか?
2025年09月22日今日は、こんな物語です。
ケイは、窓の外を眺めていた。
彼の頭の中は、来週の重要なプレゼンテーションのことが頭から離れない。成功すれば昇進への道が開けるが、失敗すれば今の停滞した状況が続くだろう。
彼は心配していた。
クライアントがプレゼンをどう評価するか。
その前に重大な問題がある。明日の朝までに部長の最終承認が下りるかどうか。部長はここ数日、機嫌が悪い。
承認がおりなければ、プレゼンターが同僚のシゲキに交代になるかもしれない。
ケイは焦燥感に駆られ、思考が堂々巡りしていた。
プレゼン資料の作成が全く進まなかった。「ちくしょうっ!!」
ケイは、自分の部屋で思わず叫んでしまった。
すると、隣の部屋で寝ていた祖母が、静かにケイの部屋に入ってきた。
「ケイ、まだ起きていたのかい?」
ケイは身を起こし、正直な気持ちを打ち明けた。「おばあちゃん、プレゼンのことが心配で。僕がどれだけ頑張っても、部長の気分一つで全てが決まるなんて、理不尽だよ」
祖母は何も言わず、ケイの隣に座った。そして、静かに話し始めた。
「昔、小さな村にまじめな青年が住んでいてね。」
「ある日、村が大干ばつに見舞われた。作物は枯れ、村人たちは飢えに苦しんだ。皆が雨乞いをし、天を恨んだが、青年はただ静かに毎日、畑に水をやり続けた。枯れゆく作物に、ごくわずかな水を」
ケイは首をかしげた。「でも、おばあちゃん、それじゃ意味がないよ。雨が降らないことには、どうしようもないじゃないか」
祖母は微笑んだ。
「その通りだね。雨を降らせることは、青年の力ではどうすることもできなかった。だが、彼は毎日畑に水をやり、土の健康を保ち、次の恵みを待ち続けた」
「数週間後、ついに待望の雨が降った。他の村の畑は、干上がってひび割れた土ではすぐに水を吸収できず、作物も完全に枯れてしまっていた。
しかし、青年の畑だけは、彼が毎日手入れをしていたおかげで、しっとりと水分を含んだ土が雨水を効率よく吸収し、すぐに作物が芽吹き始めたんだ。
結果、青年の畑は村で一番早く豊かな収穫をもたらした。」
祖母は言った。
「青年は、何をしたかって?雨が降るかどうかを悩み続けた?
そうじゃない。青年は、自分にできることに、ただ、集中しただけなんだよ」
ケイは、はっとした。
そして、静かに立ち上がり、デスクの椅子に座ると、PCの電源を入れた。
祖母は、デスクに向かうケイの背中を微笑んで見つめていた。
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外見の魅力がブーメラン?
2025年09月16日外見の魅力や好意と説得力の関係には多くの研究があります。
今回は、そのうちの1975年のシーガル氏等の研究をご紹介します。
研究は、被告人の外見的魅力が刑の重さに影響するか、また、それは罪の種類によって異なるか、という点です。
結論としては、犯罪が住居侵入の場合は、
・外見が魅力的の場合、刑が軽くなる。
・外見が魅力的でない場合、刑が重くなる。
・外見情報がない場合、刑が中程度となる。
という結果が出ました。
予想通りですね。
次に、外見的魅力を利用した詐欺罪の場合は、
・外見が魅力的の場合、刑が重くなる。
・外見が魅力的でない場合、刑が中程度になる。
・外見情報がない場合、刑が軽くなる。
という結果が出ました。
つまり、外見的魅力がある場合、それを悪事に利用すると、そうでない場合に比べて、より一層厳しい評価となる、ということです。
たまに美男または美女が異性を騙してお金をとるようなニュースがありますが、そのような場合には、魅力的でない犯人に比べて評価が厳しくなる傾向にあるということになります。
他人に対する説得力は外見の魅力に限りません。
相手に好意を持たれている場合も説得力が増します。
反対に相手の好意を逆手にとって悪用する場合も、先程の研究のように、より一層厳しい評価となるでしょう。
信頼していない人に裏切られるよりも、信頼していた人に裏切られた時の方が、ショックが大きく、恨みが大きくなるのは当然でしょう。
自分の魅力が大きなブーメランとして跳ね返ってくるということです。
私たちは、他人に対する説得力を増すために外見的魅力を磨き、人間力を高める努力が必要ですが、決してそれを悪用してはならない、ということですね。
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意見の押し付けではないか?
2025年09月08日こんな話があります。
中学生のアキヒコは、野球部に入部して頑張っていました。
守備は外野でしたので、高く上がったボールを捕球できなければなりません。
しかし、アキヒコは近視なのに、メガネをかけてしませんでした。
そのため、アキヒコはボールがよく見えず、守備でエラーばかりしていたため、レギュラーになれませんでした。
すると、同じ野球部員で親友のヒデヒコがアキヒコに言いました。
「俺、新しいメガネを買ったから、このメガネあげるよ。メガネかけた方が、絶対にいいよ」
そう言って、ヒデヒコがそれまでかけていたメガネをアキヒコに手渡しました。
アキヒコは、「それは度数が合わないだろう」と思いましたが、ヒデヒコがあまりに強く勧めるので、アキヒコは、仕方なくそのメガネをかけて守備に臨みました。
ボールが飛んできます。
しかし、ボールは、以前よりも、もっと見えなくなっていました。
度数の合わないメガネをかけても、視力が良くならないのは当然のことです。
しかし、私達は、同じようなことを、他人にしてはいないでしょうか。
友人や家族から悩みを相談された時、
「こうするのが、この人にとって絶対にいいはずだ」
と信じ込んで、自分の考えを押し付けてないか、ということです。
この時、私達は、
・私の考えは正しい
・相手のためになる
と信じ込んでいます。
相手のために助言をすることは悪いことではないと思います。
しかし、他人の視力に合うメガネの度数は、外から見ているだけではわかりません。
そのことを理解するかしないかで、助言の仕方が変わってくるのではないでしょうか。
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自他質問とは
2025年09月01日今回は、「第三の質問」です。
私は、これまで質問を
・他人に対する質問
・自分に対する質問
に分けてきました。今回は、「自他に対する質問」です。
例えば、誰かが失敗した時、
「どうしてこんなこともできないんだ?」
というのが「他人に対する質問」であり、相手にネガティブなインパクトを与える質問です。
ポジティブな質問に変換することもできます。
これに対して、失敗した本人が、
「どうして失敗しちゃったんだろう?」
と自分に質問することがあります。
しかし、相手に聞こえるけれども、相手に質問をぶつけるのではなく、自分で考える質問として、
「どうした失敗したんだろう?何が原因だったんだろう?」
と発言する方法です。
聞いている相手は、自分に対する質問ではない、と認識はするものの、質問が発せられたことによって、そのことについて考え出します。
相手に直接、「どうして心配したんだ?」と質問すると、相手に精神的圧迫を生じさせます。
責められているように感じます。
そうではなく、自分への質問の体裁をとりつつ、相手も思考に巻き込むというのがこの質問方法です。
相手へのインパクトを減らすことができ、かつ、「共に考える」という土俵を作り出すことができます。
少し演技力が必要かもしれませんが、上手な質問を思い浮かばない時に、使ってみると、いいでしょう。
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なぜ教えると記憶に定着するのか?
2025年08月25日私は、年に何度も税理士会等で税理士向けの研修講師を依頼されます。
そうすると、自分が受講者になって学ぶより研修内容を深く理解することができます。
「他人に教えると、自分の理解が深まる」とは、昔から言われていることですね。
その話をする前に、あなたは、今、何かを学ぶ意欲を持って、実際に学んでいますか?
もし、そうでないなら、老化が進行する可能性があります。
脳の可塑性により、新しいことを学んだり、新しい経験をしたりすると、脳の神経細胞(ニューロン)同士のつながり(シナプス)が強化され、新しい神経回路が形成されます。
しかし、学びをやめてしまうと、新しい神経回路が形成されず、衰える方向に進むことが想定されますし、認知症の症状である意欲低下や無関心にも親和性があります。
何でもいいので、興味を持って、学び続けましょう。
そこがスタートラインです。さて、私達が本を読んだり、講座を受講したりする場合、多くの人は、それを自分の頭で再構成せず、そのままの言葉で理解しようとします。
しかし、それでは、本当に理解しているかどうか確認できません。
しかし、他人に教えようとすると、それを自分の頭で再構成・再整理をする必要があります。
そうすると、自分が何を知っていて、何を知らないか、というメタ認知が活性化し、より正確な理解を求めることになります。
そして、他人に教えるための準備と実際に他人に教える場面では、何度もその内容を思い出しています。
これは、勉強において、問題集を解くのと同じく、何度も自分の力で思い出す経験をし、記憶が定着することになります。
ただし、他人に教える環境にない場合も多いですね。
私も講師を依頼される場合以外のことについては、他人に教える機会がありません。
そのような場合には、学んだことを一人で再整理し、他人に教えるように独り言を言ってみることです。
それだけでも効果があります。
と、おすすめしても、おそらく実際に行動に移す人は少ないでしょう。
しかし、日常生活において、面倒なことをやるかやらないか、この毎日の一歩が長い目で見た場合に大きな差となってくると思います。
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フェアであることの重要性
2025年08月18日心理学や行動経済学の本を読んだりする人には常識的な知識ですが、「最後通牒ゲーム」をご紹介します。
以下のルールで行います。
・2人のプレイヤーを提案者と応答者に分け、提案者に例えば1万円を渡す。
・提案者は両者の報酬取り分を応答者に提示する(例:6000円と4000円)。
・応答者は提案を受け入れるか拒否するか選ぶ。
・受け入れる場合:、上記の例では、応答者は4000円を受け取る。
・拒否した場合、両者はどちらも報酬は受け取れない。
このゲームは、色々な国で何度も行われているようですが、結果は、予想どおりでしょう。
経済的合理性で考えると、応答者は、いくらを提示されても受け入れた方が得、ということになります。
拒否すると、1円も受け取れなくなるためです。
しかし、8000円対2000円など、不公平感が大きい提案の場合には、応答者は拒否する確率が上昇するとのことです。
この結果から、人間は、「損得」よりも、「公平さ・公正さ」の方をより重視する、と考えられています。
神経学的には、不公平な申し出を受けたときには、脳の扁桃体や島皮質(怒りや嫌悪に関係する部位)が活性化することが判明しているそうです。
この心理は、様々な場面で登場します。
交渉の場面において、相手から見た時に「公正ではない」と判断されると、相手に得であっても、提案を拒否されることが多いです。
したがって、客観的に公正な条件よりも、「相手から見た時に公正と解釈できるか」の方が重要ということになります。
従業員に対する評価も、評価される本人から見て、「公平・公正に評価されたか」が重要となります。
子どもが複数人いるのであれば、「親が自分を公平・公正に扱ってくれたか」が重要となります。
「こっちの方が得だよ」と説得することも多いと思いますが、「こっちの方が得だし、フェアだと思うよ」と一言付け加えられる理由付けの方が、説得力が上がるでしょう。
他人を説得する時は、意見を押し付けるより、NOというための障害を取り除くことが重要です。
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