ブログ | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜 - Part 9
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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みらい総合法律事務所
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  • どんなことでも正当化できるか?

    2011年11月21日


    「フランクリン自伝・渡邊利雄訳・中公クラシックス」(201頁)に、次のような話が載っています。

    「その男というのは、私の近所の鍛冶屋で斧を買って、その斧の表面全体を刃の部分のようにぴかぴかに磨いてほしいと頼んだ男であった。

    鍛冶屋は、もし彼が砥石の車輪をまわしてくれるなら、望みどおり斧を磨いてやろうと応じた。

    そこで彼は車輪をまわしたが、鍛冶屋のほうが斧の幅広い表面を砥石のうえにしっかり押しつけるので、車輪をまわすのがとてもつらくなり、何度も何度もその男は手をはなし、どのくらい光ってきたか確かめていたが、そのうち、もうこれ以上光らせなくとも、この程度光ればいいからもって帰るといい出した。

    ところが鍛冶屋のほうは、『まだ、だめだ』というのだった。

    『もっともっとまわしなさい。そのうちに、光ってくるから。これではまだところどころ光っているだけじゃないか』。

    するとその男がいった。

    『そりゃそうだ。でも、わしはこのように、ところどころ光ってる斧がいちばん好きなんだ』」。

    最初はぴかぴかの斧が欲しかった男ですが、車輪をまわすのが疲れ、もうまわしたくないので、車輪をまわさないことを正当化するため、「ぴかぴかじゃない方が好きだ」と見解を変えた、ということです。

    これを読んで、やはり人間は、結果がどうあろうと、自分を正当化するものなんだなあ、と思いました。

    イソップ寓話にも、同じ趣旨の話が載っています。キツネとぶどうの話です。

    こんな話です。

    ある木に葡萄がぶらさがっているのをキツネが見つけ、その葡萄が欲しいと思いました。

    ところが、どんなに頑張っても、その葡萄は取れません。

    ついにキツネは諦めてそこを立ち去ることにしましたが、立ち去り際にこういいました。

    「どうせ、あの葡萄は、まだ熟れていないのさ」(だから、要らないや)

    弁護士は、犯罪を犯した被疑者や被告人と警察署などで接見をします。

    すると、ときおり、彼らは言います。

    「確かに私がやりました。でも仕方なかったんです。なぜなら・・・」

    そういえば、ドストエフスキーの主人公が、金貸しを殺害する時も、殺害を正当化する論理を展開していたような気がします。

    そう。どんな状況におかれても、自分を正当化したがるのが人間なのですね。

    自己正当化は、自分の自尊心を守るためなので、ある程度は仕方のないことだと思いますが、自己正当化をした途端、反省をしなくなり、成長が止まってしまいます。

    バランスが難しいところですね。

  • 弁護士就職難20%

    2011年11月18日

    司法試験に合格すると、司法研修所で裁判官、検察官、弁護士の法律家になるための研修を行います。

    その研修を終えると、それぞれ裁判官、検察官、弁護士になるのですが、裁判官と検察官は、毎年定員が決まっているので、百数十人しかなれません。

    残りの人達、今は約2000人が司法研修所を卒業するので、約1800人強の人達は、弁護士になるしかありません。

    しかし、日弁連によると、今年司法研修所を卒業した1991人のうち、弁護士会に登録しなかった人は、全体の20%にあたる404人にのぼるといいます。

    http://tinyurl.com/79cvv3b

    弁護士の就職難が、いっそう加速しています。

    弁護士の数は、ここ数年で急激に増えましたが、弁護士の仕事がそんなに急激に増えるはずもありません。

    しかも、この不況下で、全体的に弁護士の収入も増えていません。

    各弁護士事務所が新規弁護士の募集を躊躇するのもやむを得ないでしょう。

    私の事務所でも、現状、司法を取り巻く情勢を見極めるため、新規募集をストップしています。

    法曹人口問題を、改めて見直す時期に来ているのかもしれません。

  • 残業代未払は、刑事罰?

    2011年11月13日


    残業代の未払に、罰則があることをご存じですか?

    残業代未払は、単に民事紛争にとどまりません。

    実は、賃金未払については、

    「6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金」

    という刑事罰があるのです。(汗)

    労働法は、強行法規です。

    安易に考えていると、大変なことになりかねません。

    先日も、新潟県三条市の企業と、その総務部長が、
    休日労働の割増賃金不払い
    を理由として、書類送検されています。
    http://bit.ly/tiU9KI

    また、労働基準監督署長や労働基準監督官の権限は、
    意外に強大です。

    臨検(立入)、書類提出要求、尋問の権限があり、
    これを拒否したりすると、30万円以下の罰金です。

    さらに、なんと、労働基準法違反の罪については、

    逮捕、差押え、検証などをする権限があります。

    たかが労働法、ではないのです。

    そこで、特に経営者の方に、労働法をよく理解して
    いただこうとして、共著で執筆したのが、今回発売された

    「社長、ちょっと待って!!それは労使トラブルになりますよ!」(万来舎)

    です。

    帯には、

    「注意!!社員より先に読んでください!」

    と書かれています(汗)。

    本書の内容を、少しだけ、PDFにして、無料で公開しています。

    ぜひ、読んでみてください。

    http://www.bengoshi-sos.com/free.pdf

    気に入ったら、ご購入くださいね。

    「社長、ちょっと待って!!それは労使トラブルになりますよ!」(万来舎)

    社長、ちょっと待って!!それは労使トラブルになりますよ!

    ¥1,680
    楽天

    社長、ちょっと待って!!それは労使トラブルになりますよ!/榎本 恵一

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  • 労使トラブルの本を出版します。

    2011年11月12日


    新しい本を書きました。

    社労士の吉田幸司先生、渡辺峰男先生、税理士の榎本恵一先生と
    私の4人で一緒に書いた本です。

    題名は、

    「社長、ちょっと待って!!それは労使トラブルになりますよ!」(万来舎)

    です。

    タイトルのとおり、労働法の本です。

    経営者向けのビジネス書ですが、従業員の方が読むと、会社の
    法律違反がよくわかります。

    次の内容は法律違反の可能性があります

    場合によっては刑罰法令が適用される場合もあります。

    憶えておいてくださいね。

    ・営業社員には、残業手当を支払う必要はない。

    ・管理職には残業手当や深夜勤務手当は、支払わなくてもよい。

    ・始業時刻前の掃除当番は、仕事ではないので労働時間としない。

    ・従業員は解雇予告手当を支払えば、何時でも解雇できる。

    ・同じ人が派遣社員として、3年以上同じ仕事をしている。

    本書の内容を、少しだけ、PDFにして、無料で公開してしまいます。

    ぜひ、読んでみてください。

    http://www.bengoshi-sos.com/free.pdf

    気に入ったら、ご購入くださいね。

    「社長、ちょっと待って!!それは労使トラブルになりますよ!」(万来舎)

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  • 弁護士の所得が減少傾向

    2011年11月10日

    「弁護士白書2011版」からです。

    弁護士全体の所得の平均値・中央値が載っています。

    2000年調査では、次のようになっています。

    ・平均値 1701万円

    ・中央値 1300万円

    ・標準偏差 2106万円

    2010年調査では、次のようになっています。

    ・平均値 1471万円

    ・中央値 959万円

    ・標準偏差 1873万円

    ※中央値とは、回答を大きさの順に並べた時、全体の中央にくる値。
    ※標準偏差とは、平均値を中心として、データがどの程度散らばっているかを表す値。

    10年間で、弁護士の所得が減少ていることがわかります。

    この傾向は、今後も続くことでしょう。

    もちろん、一部の弁護士は大変高額の所得を得ていますが、最近の弁護士増加にともない若手弁護士が増えていますので、低所得の若手弁護士が増えた結果、といえるかもしれません。

  • 第6回士業交流会「みらい」開催

    2011年11月05日

    昨日は、第6回士業交流会「みらい」を開始しました。

    毎回満員御礼ですが、昨日も、35名定員でしたが、36名の先生方にご参加いただきました。

    第1部が、ミニセミナー2本です。

    1本目は、フェイスブックページの広告についてのセミナー。

    実際に私がフェイスブックページを作り、広告投資し、いかにして1ヶ月間で1,000人以上のファンを増やしたか、の解説です。

    2本目は、行政書士の寺田先生の営業戦略についてです。

    ●●の●●から●●までを順番に飛び込みで営業する、というすごい営業方法が披露され、参加された先生方に刺激を与えていました。

    $弁護士 谷原誠 のブログ

    その後、交流会をし、飲み会に突入です。

    飲み会は番外編ですが、交流会参加36名のうち、34名が参加するという人気の飲み会です。

    何をするわけでもないのですが・・・

    事務局で用意したわけでもないのに、自主的にタスキを持参した先生もいらっしゃいました。

    $弁護士 谷原誠 のブログ

    そして、最後は、一部集合写真。

    この会に刺激を受けて、独立された先生もいらっしゃったので、花束を贈呈しました。

    $弁護士 谷原誠 のブログ

    次回も開きますので、多数の先生方のご参加をお待ちしております。

  • 弁護士人口の増加

    2011年11月04日


    「弁護士白書」2011年版が発売になりました。

    今日は、その中から、弁護士人口について書いてみます。

    2011年時点での弁護士人口は、30,485人です。
    うち、女性の割合は、16.8%。

    1950年時点では、弁護士人口は、5,827人。女性割合は、なんと、0.1%だったそうです。

    女性の法曹への進出は、めざましいものがあります。

    ちなみに、1995年当時の弁護士人口は、15,108人で、現在の約半分です。

    この16年間で、弁護士人口が、約2倍に増えたことになります。

    今は、年間2,000人くらい弁護士が増えてきているので、今後もっと弁護士数が増加することになります。

    司法修習を終了して弁護士になる人達は、就職難です。

    当事務所でも、募集をすると、数百通の履歴書が届きます。

    当然、人数が増えれば、能力にも差が出てきますし、収入にも差が出てくることになります。

    今後、弁護士を目指そうという人は、今の、そしてこれからの厳しい状況を見越した上で、弁護士を目指さなければなりません。

    決してバラ色の生活は待っていないのです。

    このまま増えていくと、全員がこれまでと同様の業務で弁護士としてやっていくのは厳しいでしょう。

    そうなると、必ずしも弁護士になる目的ではなく、一般企業の法務部に入社する目的で、弁護士資格を取得する、という道も出てくるかもしれません。

    学生時代で、特に自分を他人から差別化できなかった人は、就職を有利にするために弁護士資格を得て、就職戦線に突入する、という方法も選択されてよいのではないでしょうか。

    そして、一般企業で実務を経験した後は、その差別化を生かして、弁護士事務所への就職で有利に戦えるかもしれません。

    自分の置かれた状況の中で、常に工夫し、戦い抜いていかなければなりません。

  • 電気を勝手に充電すると、犯罪です

    2011年11月01日


    他人の家で、無断で洗濯すると、窃盗罪です。

    何のことか、わかりませんね。

    こんな事件がありました。

    無人の民家の敷地内に洗濯機を持ち込み、軒下のコンセントに電気コードを接続した上、洗濯機を稼働させて自分の衣服などを洗濯した結果、約1円分の電気を使ったとして、高知県警佐川署は27日、その男を逮捕しました。

    この逮捕した罪名が窃盗罪ということです。

    しかし、何を盗んだというのでしょう?

    それが、「電気」だということです。

    窃盗罪は、次のように定めています。

    刑法235条
    他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

    そうすると、次に、「電気」は、「財物」といえるのか、という問題が出てきます。

    「財物」は「物」であるから、「電気」は、「財物」ではないのではないか、という問題です。

    電気とは、電荷の移動や相互作用によって発生するさまざまな物理現象の総称ですから、本来「物」ではありません。

    しかし、電気を盗んだりする人がいても、それを取り締まる法律がないことから、刑法では、あえて、「電気」を「財物」とみなしています。

    次の規定があります。

    刑法245条
    この章の罪については、電気は、財物とみなす。

    この章というのは、窃盗の他に、強盗があります。

    電気窃盗は、ついうっかり犯してしまう危険がありますので、気をつけてください。

    過去には、次のような事件もありました。

    仕事もせず光熱費や家賃を滞納しながら、アパートの廊下にある共用コンセントを勝手に使い、自宅でテレビを見たとして、窃盗罪などに問われた男に対し、大阪地裁が、懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年)の判決を言い渡した例があります。2円50銭相当の電気です。

    女子高生が、メール操作中に携帯電話の電源が切れたため、駅ビル通路のコンセントで携帯電話を無断で30分充電し、電気を盗んだ疑いで、検挙された事例があります。ただし、この例は、「微罪処分」として、裁判にはなっていません。被害額は、「3銭」ということです。

    JR名古屋駅の公衆電話台で、会社員がパソコンでメールを送ろうとしたところ、パソコンが充電不足だったので、足下のコンセントから5分ほど電気を無断で使ったとのことで、摘発された事例。結果は不明です。

    外出先で、どうしても会社や友達に連絡しなければならない時に、携帯電話やパソコンが充電不足になると、ついついやってしまいがちなのが、この電気窃盗。

    気をつけないと、窃盗罪で逮捕されかねません。

    気をつけましょう。

  • 第6回士業交流会「みらい」開催します。

    2011年09月24日

    11月4日(金)第6回士業交流会「みらい」を開催します。

    現在、26人がエントリー中です。

    士業の先生同士の交流を活発にして、先生方のマーケティングと業​務の向上を目指す会です。

    税理士、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、不動​産鑑定士、弁理士の先生でご希望の方は、以下よりお申し込みくだ​さい。

    ■ 申込フォーム https://55auto.biz/vfieldbiz/touroku/kouryu.html

    ■ 交流会概要  http://valley-field.com/seminar/20111104/detailvf.pdf

    前回の第5回の様子は、こんな感じです。
    http://ameblo.jp/mtanihara/entry-11003387277.html

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  • 東京地裁民事27部講演会

    2011年09月08日


    今日は、毎年恒例の東京地裁民事27部裁判官による講演会に出席してきました。

    私の事務所からは7人出席しました。

    部総括裁判官の話によると、平成22年に東京地裁に申し立てられた交通事故に関する訴訟の件数は、1,416件とのこと。

    平成11年は、896件ですから、この10年ほどで、かなり増えてきています。

    和解で訴訟が終了する確率は、約70%、高い和解率です。

    裁判官の講演に先立って、医学博士による「外傷による脳損傷の基礎知識」の講演があったのですが、これも勉強になりました。

    「MTBI」(軽度外傷性脳損傷)に関する説明もありました。

    私の事務所でも、「MTBI」の訴訟を何件か担当しているので、参考になりました。

    また、来年も出席したいと思います。