ブログ | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜 - Part 56
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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みらい総合法律事務所
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  • 奥菜恵さんと藤田晋氏の離婚

    2005年06月23日

    2004年1月に結婚した女優の奥菜恵さんと、サイバーエージェント社長の藤田晋氏が離婚届を提出したそうです。
     
    気になる慰謝料ですが、離婚慰謝料は、婚姻生活を破綻させるについて責任を有する方が他方に対して支払うことになります。本件ではどちらが払うかわかりませんが、結婚生活1年6か月とすると、裁判になったとしたら、せいぜい数百万円でしょう。
     
    しかし、離婚時のお金の支払いは、慰謝料の他に財産分与があります。これは、婚姻期間中に築いた夫婦の共同財産を分配するというものです。1年6ヶ月と短期間ではありますが、その間に築いた財産はかなりの額にのぼるはず。数千万円の財産分与が行われる可能性もあると思われます。
     
    また、有名人の場合は、慰謝料の額に宣伝効果を期待する場合もあり、わざと多額に設定する場合もあります。
     
    更に、離婚協議の内容を秘密にするため、合意書に秘密保持の条項が盛り込まれることもあり、この場合には、慰謝料額は秘密のまま表に出ることはないでしょう。

  • 金融機関交渉セミナー

    2005年06月22日

    今日は、某県商工会議所で経営安定化のセミナーのうち、「金融機関との交渉」を担当し、講演してまいりました。
     
    債務者が銀行借入金の返済が出来なくなったとき、どうやって銀行、あるいは銀行から債権を譲渡されたサービサー(債権回収会社)と交渉するのか、という点についてです。
     
    銀行は、融資した資金をどれだけ満額回収できるかが最大の関心事であり、サービサーは、銀行から買い取った債権の売買代金額からどれだけ増額して回収できるかが最大関心事です。サービサーがファンド等から管理回収を委託されているときは、より短期により高額回収のバランスという視点が重要となってきます。
     
    相手の状況にあわせて交渉してゆくことが重要です。
     
    今後の不良債権の処理は、地銀が熱い。

  • チャイルドシート不使用は死傷率が高い。

    2005年06月22日

    警察庁と社団法人日本自動車連盟(JAF)がまとめたチャイルドシート使用状況によると、
     
    チャイルドシートの使用率は49.1%
     
    チャイルドシート不使用の場合、致死率は使用の場合の約4.1倍
     
    死亡重傷率は使用の場合の約2.2倍
     
    だそうです。
     
    交通事故損害賠償事件を多数扱っていると、つくづく思いますが、交通事故は、予想して起こるものではありません。まさか事故になど遭わないだろうと思っているところに突然起こります。
     
    大切なお子様を悲惨な目にあわせないため、必ずチャイルドシートをするようにしましょう。

  • MEGUMIさんが交通事故

    2005年06月20日

    ニュースによると、タレントのMEGUMIさんが、7月18日に交通事故に遭って腰を強打し、入院しているそうです。マネージャー運転の車に乗車中に追突されたそうです。
     
    追突ということですが、信号待ち等で停止中の追突事故であれば、過失割合は100対0です。動いていると過失割合が変動します。
     
    傷病名は不明です。入院していますし、初期診断は「腰椎捻挫」でしょうか。長引く可能性もありますね。ヘルニアの萌芽があれば事故による外傷で発現することもあるし、そうでなくても場合によっては後遺障害が残ることもあり得ます。
     
    後遺障害というのは、簡単に言うと、それ以上治療を継続しても治療効果があがらなくなってしまった障害が残ることを言います。ただ、画像上の異常所見も神経学的な所見もない軽い後遺障害であれば治ることも多くあります。
     
    停止中の交通事故は、全く自分に過失がないのに発生します。こわいですね。
     

  • 取引経過開示拒否は違法

    2005年06月19日

    消費者金融「キャスコ」に対し、債務者が過去の取引履歴を開示するよう請求したところ、キャスコがこれを拒否した件につき、取引経過開示拒否は違法だとして債務者が損害賠償請求をしました。
     
    この事件について、最高裁第三小法廷は19日、「貸金業者には開示義務があり、拒めば不法行為として賠償責任を負う」との初判断を示しました。
     
    裁判実務では、お金を貸し付けたことについては消費者金融側が立証責任を負担し、お金を返したことについては債務者側が立証しなければならないのが原則です。
     
    簡単に言うと、今回の最高裁判決では、この原則を覆し、貸金業者は、債務者から請求があった場合には、過去にお金を貸しつけた分だけでなくて返済された分の記録まで開示しなければならなくなります。
     
    これは極めて重要な意味を持ちます。なぜなら、債務者側は、貸金業者に支払った振込票等を保存せずに捨ててしまっているのが通常であり、債務者側が支払について立証することは極めて困難であるからです。
     
    通常消費者金融は、利息制限法を超える金利を取っていますので、長期間の取引をしていると、債務者側が逆に消費者金融業者からお金の返還を受けられる場合があります。
     
    今回の判例は、その過払金返還手続にとって非常に大きな意義を有すると言えます。

  • 個人情報保護法出版

    2005年06月18日

    個人情報保護法の本を出版しました。

    中小企業及び個人事業主を対象にしています。なるべくラクをして、最小限の対策で済ませましょう。

    社長!個人情報、その取扱はキケンです。

  • 借金損切りセミナー講師

    2005年06月16日

    昨日は、都内某所で開催されたセミナーの講師を務めました。
     
    セミナーの題名は、「借金損切りによる不動産の防衛」という刺激的な内容です。その中で、私は、特別講師として「銀行交渉の現場を語る。」という題名でお話をさせていただきました。
     
    債権回収会社(サービサー)の登場により、銀行は全額回収できない案件については、サービサーに債権譲渡することを考えますので、債務者側もそれを前提に銀行と交渉しなければなりません。その意味で、ここ数年で銀行交渉もだいぶ変わってきたという印象があります。
     
    昨日は、部屋の空調がきかず、とても暑い中、講師も参加者も皆意識朦朧といった感じでした。

  • 弁護士の事件とテレビドラマ

    2005年06月15日

    弁護士は通常同時に数十件の事件を受け持ち、並行処理しています。定型的な事件を扱う弁護士は、100件を超える事件を同時並行処理していると思います。
     
    そのような話をすると「よく記憶が混同しませんね。」と言われます。
     
    しかし、実はたいしたことではありません。
     
    弁護士が事件を記憶するときは、ストーリーとして記憶します。ストーリーとして記憶していれば、記憶が混同することは普通ありません。たとえば、週にいくつもの連続ドラマを見ている人は、それぞれのドラマをストーリーとして記憶していますので、別のドラマと記憶が混同することが普通はありません。
     
    したがって、弁護士が同時に数十件の事件を記憶の混同なしに処理するのは、特別な記憶力によるものではなく、全く普通のことです。
     
    それよりも、それを処理していく時間の方が大変です。
     

  • 交通事故賠償中間利息控除5%最高裁判決

    2005年06月14日

    交通事故の被害者側で損害賠償訴訟を手がける弁護士にとって残念な最高裁判決が、平成17年6月14日に出ました。
     
    後遺障害事案や死亡事故では、被害者が将来得られたであろう収入が逸失利益として、損害賠償の対象となります。ただし、「中間利息」が引かれます。(死亡の場合には、生活費に使用したであろう割合も引かれます)
     
    「中間利息」とは、将来段階的に得るはずの収入を今一時金として算定するため、運用益に相当する利息相当分を差し引くというものです。
     
    この中間利息は、低いほど賠償額が高くなり、被害者に有利になります。
     
    現在の低金利時代にあっては、銀行に預けておいてもほとんど金利がつかないことを考慮して、地裁、高裁レヴェルでは、中間利息を年3%とする判決がいくつか出されていました。
     
    ところが、最高裁は、この点に決着をつけ、中間利息を民法所定の年5%が妥当とする判決を出したそうです。
     
    私は判決文を読んだわけではありませんので、全ての場合に適用されるのかわかりませんが、ニュースで読んでショックだったので、書いてみました。
     

  • 鈴鹿レース死亡事故

    2005年06月12日

    鈴鹿サーキットで、平成17年6月12日に、オートバイレース中に、レースに参加していた24歳の男性が、コンクリート製フェンスに激突して死亡したそうです。
     
    男性が、任意保険に加入していたとしても、あらかじめサーキット場で運転することを保険会社に通知し、承認されていない限り、保険金がおりないという判例があります(平成14年4月18日東京地裁判決)。
     
    危険が著増するときは、あらかじめ保険会社に通知し、承認の請求をしなければならない約款になっていたところ、道路交通法や速度制限のないサーキット場での運転は、危険が著増するときにあたると判断したものです。
     
    そうすると、後は、男性の走行を妨害した他の参加者がいればその参加者に、なければサーキット場に損害賠償を請求しなければなりません。
     
    この場合、施設利用契約に基づく安全配慮義務、工作物責任等が問題となります。名古屋地裁は、平成13年12月26日判決で、鈴鹿サーキット国際レーシングコースで起きた死亡事故について、サーキット場の損害賠償責任を否定しています。
     
    上記判決が全ての事例に当てはまるわけではなく、事案毎の判断になりますが、今回はどうでしょうか。
     
    サーキット場での走行は、それ自体危険な行為です。参加される方は、ご家族等のこともお考えの上、安全に走行されるよう祈ります。