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営業に質問力を生かす
2011年09月06日
メルマガ「弁護士がこっそり教える絶対に負けない議論の奥義」より~
2人の営業マンがいました。
成績が悪い営業マンは、契約のクロージングに入っていました。
「では、契約していただけますか?」
客は答えました。
「うーん。もうちょっと考えさせてください」
「そうですか・・・」
そして、その日の商談は終了しました。
成績の良い営業マンも他の会社で商談しており、クロージングに
入っていました。「では、こことここに押していただけますか?」
「うーん。もうちょっと考えさせてください」
「今回、この商品をご検討いただいたのは、業務が少し停滞して
いるので、業務効率をアップさせる目的ということでよろしいで
すか?」「そうだね」
「この商品をご利用いただくことで、業務効率がアップするのは
ご理解いただけましたでしょうか?」「そうだね」
「弊社でも努力致しまして、お値段的にも予算の範囲内に収まっ
ているということでよろしいでしょうか?」「そうだね。ありがとう」
「ちなみに、このタイプと、このタイプではどちらがお気に召し
たでしょうか?」「こっちの方がいいね」
「納期は、来週の水曜日で大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
「お支払い期日は、今月末ということで大丈夫ですか?」
「まあ、大丈夫でしょう」
「それでは、こことここに押していただけますか?」
契約は成立し、商談は終了しました。
もちろん、こんな簡単にはいかないでしょうが、ここで重要なのは、営業マンとしての思考です。
成績の悪い営業マンは、客が「買うか、買わないか、わからない」
前提で二者択一の質問をしています。「買いますか?買いませんか?」
とニュートラルに質問しているのです。
これでは客の背中を押せません。
成績の良い営業マンは、「この客はこの商品を買うはずだ」とい
う前提で質問を組み立てています。ですから、「買いますか?買いませんか?」などという質問はし
ません。「買うのだから、印鑑ください」
「買うことを前提として、納期は水曜日でいいですか?」
「買うことを前提として、お支払いは月末でいいですか?」
質問は、相手に強制的に考えさせる機能を持っています。
買うことを前提とした質問をすると、相手は、買うことを前提と
して考え、答えるのです。この機能を利用して、今回のように説得をしたり、情報を引き出
したり、議論を方向づけたりすることができます。質問に磨きをかけよう。
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「人生を成功に導く質問力」アイフォン
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相手に聞く耳を持たせるには?
2011年06月06日
思いどおりに他人を動かす交渉・説得の技術―現役弁護士が書いた (DO BOOKS)/谷原 誠
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Amazon.co.jp交渉をするとき、相手に聞く耳を持たせるために、こちらが聞き手にまわることがある。
相手に聞く耳を持たせるために、聞き手にまわる?
これだけ聞くと、意味不明かもしれない。
特に、人の話を聞かず、自分の話ばかりする人の場合は特に聞き手にまわる必要がある。
交渉では、自分の利益を最大限にしなければならない。
そのためには、自分の主張を通さなければならない。
だから、お互いに自分の主張ばかりを言い合う場が交渉だ、と思っている人がいる。
もちろん、そういう場面もあるが、それは違うと思う。
人の話を聞かず、自分の話ばかりする人は、何とかして自分の事情をこちらに伝えようとしてくる。
事情や考えを漏らさずこちらに伝え、理解させ、それに従わせようとする。
そういう人は、こちらが話している時に、何を考えているか?
「さて、次は何を話そうか。どう話せばわかってもらえるか。おっ、こいつはまだこんなことを言っているな。私の言っていることをわかっていない証拠だ。よし、次はあのことを言おう」
こんな感じだ。
つまり、ほとんどこちらの言うことなど聞いていないし、心に浸透していない。
こんな状態で、いくら大声でわめいても、交渉成立には結びつかない。
違う角度から考えてみる。
そういう相手が、こちらの話を聞いてくれる状態は、どのような状態か?
それは、相手が、自分の言いたいことを全て言い切り、こちらに理解させた状態だ。
相手が望んでいるのは、まさにその状態だ。
その状態になった時、相手は、初めて話すのをやめ、こちらのことを考える余裕が出てくる。
つまり、その状態が聞く耳を持った状態だ。
この状態になれば、こちらが話すことに聞く耳を持ち、理解する余裕が出てくる。
だから、その状態になるまで、じっくりと相手の話を聞く必要があるのだ。
さらに、余裕があれば、聞き終わった後、次のように言おう。
「あなたのご事情を私が正しく理解したかどうか確認させてください。~ということでよろしいですか?まだ足りないことがありますか?」
ここまでくれば、相手はとりあえずは満足だ。
次はこちらが話す番だ。
「あなたのことを全て理解したところで、私の方の事情も少し聞いていただけますか?」
相手は聞いてくれるだろう。
交渉は、自分が言いたいことばかりを言う場ではないと思う。
自分の主張を通すため、相手の言い分にじっと耳を傾ける必要があるように思う。
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他の選択肢は、なぜ必要か?
2011年06月04日
男がある店に人質5人をとって立て籠もった。
警察の交渉チームが現場に到着し、電話で犯人と交渉を始めた。
犯人の男は、6億円の現金と、逃走用の4WDを要求している。
犯人は、まずは30分以内にドーナツとミネラルウォーターを差し入れるよう要求した。
交渉人は、「わかった。ドーナツとミネラルウォーターを差し入れよう。その代わり、人質を1人解放してくれ」と、駆け引きをした。
犯人は、「そんな駆け引きはナシだ。30分以内に差し入れられなかったら、人質を1人射殺する」と答えた。犯人は拳銃を持っていたのだ。
交渉人は、なんとか人質を解放するよう交渉したが、犯人は頑として応じなかった。
「仕方ない。ドーナツとミネラルウォーターでは、たいした実害はない。差し入れよう」
交渉人は譲歩して、それらを差し入れた。
すると、犯人から要求があった。
「1時間以内に6億円の現金と逃走用の4WDを用意しろ。用意できなければ、人質を1人射殺する」
交渉人は、言った。
「それは無理だ。6億円を準備するには、3時間はかかる。その前に人質の安全を確認させてくれ」
犯人「うるさい。こちらの要求をのまなければ、人質を殺すまでだ」
結局、1時間以内に現金を用意できず、犯人は人質を1人射殺した。
犯人「これが最後だ。これから30分以内に用意しなければ、人質を1人射殺する」
警察は、これ以上犠牲者を出すわけにはいかない、ということで、犯人の要求に屈した。
以上はもちろん架空の話である。こんな風にはならない。
なぜなら、犯人が立て籠もった場合、まず警察は、現場を封鎖し、射撃班を配置する。
犯人が逃げられなくするのと、交渉決裂の場合に、強行突入するためである。
上の例で、なぜ警察は犯人の要求に屈したのだろうか?
それは、交渉決裂の際に取り得る別の選択肢を用意しなかったからだ。
それが強行突入である。
交渉の際には、交渉決裂の際に取り得る別の選択肢を用意しておかないと、どうしてもその交渉を成立させなければならなくなる。
交渉決裂、という選択肢がなくなるのだ。
そうなると、相手と主張が食い違った場合に、交渉決裂を恐れるあまり、譲歩せざるを得なくなってしまうのだ。
上の例では、交渉が決裂すると、犯人は人質を射殺することになるが、警察としては、それは困るので、交渉に固執することになる。
そして、交渉を成立させるために、譲歩し、交渉を成立させる(要求に応じる)しかなくなってしまったのだ。
しかし、現場を封鎖し、射撃班を配置して強行突入の準備をした場合にはどうか。
この場合、犯人の要求に応じることもできるし、犯人の要求を拒絶して、強行突入をはかることもできる。
犯人もそれがわかっている。
あまり自分の要求ばかりを主張すると、交渉が決裂して強行突入されると思うと、ある程度の譲歩も期待できる。
つまり、他の選択肢を用意することにより、色々な駆け引きが可能になるのである。
以上のことからわかるように、交渉に入る前には、先を見通し、交渉決裂の場合にはどうするか、を考えておく方がいい。
そうすれば、強い交渉が可能となるはずである。
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交渉に向いている性格とは?
2011年06月02日
雑誌などの取材を受けていると、
「交渉に向いている性格は、どんな性格ですか?」
と聞かれることがある。
一般的には、押しが強い性格が交渉に向いていると思われている。
もちろん、交渉では押したり引いたりの駆け引きをするので、押しが強い方がいいに決まっている。
しかし、交渉は、それに尽きるわけではない。
相手のニーズを探り、情報を引き出し、相手のニーズと自分のニーズの合致点を探し、落としどころを見極める。
その過程では、押しの強さは関係ない。
気が弱い人は交渉に弱いかということ、そうとも限らない。
押しが強い人は、とにかく自分の要求を相手に押し付けていくので、柔軟な対応ができず、交渉が決裂しやすい。
気が弱い人は、相手に配慮したり、強引なことをしないので、柔軟で細やかな調整ができたりする。
だから、どんな性格が交渉に向いているかを一概に決めつけることはできない。
もし、これから交渉に臨む人は、
「私の性格は交渉に向いているかどうか?」
と自分に質問してはいけない。
「私のこの性格を、交渉に生かすには、どうしたらよいか?」
と質問するようにしよう。
そうすれば、前向きに交渉に臨めるはずだ。
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