事業は「一勝九敗」でも成功できる
ユニクロ(ファーストリテイリング)CEOの柳井正氏の「一勝九敗」(新潮社)を読みました。
会社の経営は、失敗の連続で、一勝九敗くらいだと言います。それでもユニクロのように成功することができる、ということです。
そうなのか・・・
共感した点のうち2つ。
「問題は、失敗と判断したときに『すぐに撤退』できるかどうかだ。儲からないと判断したらその事業を継続すべきでないのは誰にでも理解できるはず。撤退もスピードが大事である。短期間のうちに撤退後の方針を決め、人員の再配置を決める。だらだらしていたらその分、損が膨らんでいくばかりだ。失敗に学ぶことと、リカバリーのスピード。これが何より大切である。」(74頁)
事業で新しいことを始めると、失敗する方が多いものです。ただ、時間と費用をすでに投資した以上、何とかそれを回収しようとします。そこでなかなか撤退を決められず、ずるずると続けてしまいがちです。そうなると、さらなる経済的損失とさらなる費用と時間の損失という二重の損失が発生します。そして、致命的な失敗すら待ち受けています。この時、勇気ある撤退ができるかどうかはとても大切だと思います。
「ぼくは自分自身のことを頭が良くないと思っている。ということは、この説と自己評価が正しければ会社自体の発展性がないことになる。それでは困るのだ。人材募集は当然、ぼくよりも頭の良い人たちに来てもらうためでもあった。」(75頁)
私もこのような考え方を持っています。弁護士のミッションは、依頼者に最大限の利益をもたらすことです。しかし、私は事務所のマネジメントもしなければならないし、自分の頭脳の限界も感じています。そこで、私より実務能力が優秀な弁護士に入ってもらい、多角的に事件を検討することによって、「事務所」として高いパフォーマンスを実現しようと思っています。そして、その結果、私一人でやるよりも、もっと依頼者に最大限の利益をもたらすことができると考えています。
会社経営者や個人事業主にオススメの一冊です。