保護する責任
2006年02月09日
ニュースからです。
3歳の幼児に生存に必要な食事などを与えなかったとして、死亡した幼児の母親が保護責任者遺棄罪の疑いで香川県警高松北署に逮捕されました。死因は栄養失調なので、保護責任者遺棄致死罪で検察官送致される模様です。
保護責任者遺棄罪は、刑法218条に規定されており、法定刑は3月以上5年以下の懲役です。致死罪になると、2年以上の有期懲役です。
老年者、幼年者、身体障害者、病者を保護する責任がある者がこれらの者を遺棄したり、生存に必要な保護をしない場合に遺棄罪が成立します。
幼児を養育すべき両親や寝たきり老人を看護している家族などがこれに該当します。また、交通事故の加害者は、被害者の救護義務がありますが、一旦助けて車に乗せて病院に行く途中、被害者を捨てて逃げてしまったような場合にも成立するでしょう。
人は生まれたばかりでは、一人で生きてゆくことはできません。成長し、自力で生きてゆけるようになりますが、年を取り、老いてゆけば、また、誰かの手を借りなければ生きてゆけなくなります。もちろん、途中で病気や怪我により、やはり誰かの手を借りなければならなくなるときもあります。
当然のことですが、人は助け合って生きていかなければなりません。
そのうちの、保護する責任というが法的責任にまで高められているということです。