超高金利借金は全く返す必要なし
2006年02月12日
2006年3月7日に最高裁判決がありました。
札幌市の貸金業者「ゴーリキ」(←強そうな名前です)が、年利約1200%の利息で金を貸し付けて返済させていた事案で、借主がそれまでに支払った109万円の返還を求めた訴訟です。一審札幌地裁は、利息制限法を超過して支払った利息分の返還を命じ、二審の札幌高裁は、元本も含め、全ての返還を命じていました。
最高裁では、「契約自体が、貸金に名を借りた違法行為で無効。返済額は不法行為による損害。元本も保護に値しない」として、借主が支払った金員の全額の返還を命じました。
要するに、「実際に貸し付けたお金も返す必要なし。」ということです。
「借りた方だって悪いんじゃないの?」「返す約束をしたんだから、少なくとも元本は返すべきでは?」という意見もあるでしょう。
しかし、最高裁は、そのような価値観があったとしても、あえてヤミ金撲滅の道を選んだということではないでしょうか。ヤミ金がお金を貸し付けたとしても、その実際に貸したお金すら返す必要がないというのであれば、商売あがったりです。そうやってヤミ金を割に合わない商売にしてしまい、衰退させようということです。
現実に、ヤミ金で荒稼ぎをしているグループは摘発を受けています。ヤミ金を続けるには、携帯電話や仮名口座、拠点を次々と変えていかなければならず、警察による摘発を恐れながら活動しているのが実態です。
だいぶ振り込め詐欺に鞍替えしてきているようですが、今後は、また新たな手法が編み出されていくことでしょう。そして、それを規制する、というイタチごっこです。
真説 光クラブ事件 ―東大生はなぜヤミ金融屋になったのか―
クレサラ・ヤミ金事件処理の手引