司法修習生逮捕( ゜Д゜)
2004年12月06日
1月5日、隠し撮り目的で東京地方裁判所内の女性トイレ内にビデオカメラを設置したとして、建造物侵入の疑いで司法修習生(32)を逮捕した。(記事)
これはびっくりです。裁判所法によって、司法修習生の行状がその品位を辱めるものと認めるときは、司法修習生は罷免されることがあります。今回、事実がそのとおりであれば、罷免されるでしょう。今までの苦労がパーです。
捕まったら当然罷免されることがわかっていても、自分が行動するときは、まさか自分が捕まるとは思わないものなのですね。
警察は、住居侵入罪(刑法130条)で逮捕していますが、住居侵入とは、他人の看守する建造物等に管理権者の意思に反して立ち入ることを言います。司法修習生は、裁判所内に立ち入ることは許されているが、男性の司法修習生は、女子トイレに立ち入ることは東京地裁所長の意思に反しているということでしょう。
ところで、この管理権者の意思に反するかどうかはとても微妙な判断です。
過去の判例には、夫の不在中、妻と姦通する目的で妻の同意を得て住居に立ち入ったときは、住居権者である夫の意思に反するから住居侵入だとした判例があります(大正7年12月6日大審院判決)。妻が「あがってちょうだい。」と言っているのに住居侵入罪ですよ。ちょっと無理があると思いませんか?
これを形式的に適用するとどうなるか。いわゆる「悪徳」訪問販売は、わざと皆夫のいないスキを狙って妻だけの時に家に上がり込んで販売しようとします。しかし、ほとんど夫はそれに同意しないでしょう。夫の意思に反していて、全員刑務所行きですよ。売るのに失敗してもです。
法律家は、たまに無茶な解釈をしたりします。