あなたはシロクマですか?牛ですか?
以前に書いた「あなたは青虫ですか?」
http://blog.giron.jp/archives/51702920.html
が、好評だったので、関連する話題をもう1つ。
少し前の話になるが、北野武氏が、雑誌GOETHE「ゲーテ」2008年10月号(幻冬舎)の取材に対し、次のように語っている。
「シロクマなんてあんなカラダしてて、80キロも泳ぐっていうじゃない。牛はすぐ溺れるもん。自分はシロクマなのか、牛なのか。それだけはちゃんとわかってないと、不幸なことになる。頑張ればなんとかなるなんて、嘘だから。」
つまり、自分の才能を知った上で努力しないといけないということだ。
「頑張れば何とかなる」という幻想を持って努力しても、泳ぐ才能がなければ、牛のように溺れてしまう。
逆に外見からすると、似つかわしくないことでも、才能があれば、シロクマのように、高度の泳ぎを見せることができる。
偏見や希望的観測を捨て、冷静に、客観的に自分のことを知らなければならないということだ。
北野武氏は、漫才ブームが絶頂だったときに「ツービート」というコンビ名で漫才をしていた。
しかし、ダウンタウンなどのお笑い第三世代が出てきたころ、自分の漫才の時代が終わることを予見し、さっさとバラエティ番組の司会や、映画監督など新しい分野を開拓し、それぞれの分野で第一人者となっている。
通常、漫才ブームが絶頂であれば、それが続くと信じ、ひたすらその道を走り続けるものだ。
しかし、彼は違った。
ブームが去る前に、次の分野に飛び込んでゆく勇気は尊敬に値する。
今はお笑いブームだが、ブームは必ず去ってゆく。
「M-1グランプリ」も視聴率が落ち始めたところで打ち切りとなった。
いつまでもしがみついていたら、自然消滅となっていただろう。
今回、打ち切ったのは、卓見だと思う。
今、絶頂にある人達が、次のブームに乗るために、どう行動するか、見物である。
これらは、芸能人についてのみあてはまるものではない。
私たち1人1人も同じである。
今、調子が良くても、今、人気があっても、今、仕事が順調でも、必ず凋落の時がくる。
その時に備え、如何に準備をしておくか、が重要である。
自分がどんな力を持っているか、見極めたい。
あなたは、シロクマですか?
それとも、牛ですか?