常習性と伝説
2010年09月25日
「伝説の金さん」が逮捕された。
伝説の金さんは、電車内で窓際に掛けられた背広から財布を抜き取る「ブランコすり」の名手で82歳という。これまで20回以上逮捕され、約44年間を刑務所で過ごしているそうだ。
そんなに逮捕されているのに、すごいのだろうか。
また、「ケツパーの吉」も捕まった。
ケツパーの吉は、尻ポケットに入っている財布を抜き取るすりを得意としているらしい。
「ケツ」はわかるが、「パー」は何だろう??
ところで、伝説の金さんは、常習累犯窃盗で逮捕され、ケツパーの吉は、窃盗で逮捕されたとニュースで言っている。
この「常習累犯窃盗」と「窃盗」の違いは何だろう?
「窃盗罪」は刑法235条に定められている。
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
これに対し、「常習累犯窃盗罪」は、盗犯等の防止及処分に関する法律3条だ。
条文が難しいので、簡単に書くと、常習として窃盗罪を犯した者が、窃盗の前10年以内に窃盗などの罪で3回以上にわたり6ヶ月の懲役以上の刑を受けたような場合には、3年以上20年以下の懲役に処する、ということだ。
10年以内のうちに3回の懲役って、相当の猛者だ。
上のニュースを読む限りでは、この要件を満たすのが「伝説の金さん」、満たさないのが「ケツパーの吉」ということだろう。
威張れることではない。
伝説の金さんは、今度も懲役刑と思われる。
82歳から懲役に行くのは、体力的に辛いことだろう。
そろそろ更生して欲しい。