車にしがみついて、何キロ走れるか? | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
メニュー
みらい総合法律事務所
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。

車にしがみついて、何キロ走れるか?

2010年11月12日

不思議な事件です。

2010年12月11日午後10時半ごろ、山梨県山中湖村山中の国道138号で事故がありました。

妻が、夫(39)を迎えに行く途中、信号待ちで停車していた薬剤散布車の後部にしがみつく夫を発見。

薬剤頒布車を追いかけたところ、約1.7キロ先の路上で倒れている夫を発見し、119番通報した。男性は頭の骨を折り意識不明の重体。酒を飲んでいたという。

運転していた男性会社員(34)は、男性がしがみついていたことに気付いていなかったとのこと。
 
http://news.livedoor.com/article/detail/5202981/

薬剤頒布車の運転手は、男性がしがみついていたことに気づいていなかったとのことですが、これが本当で、かつ気づかないことに過失がなければ罪に問われることはありません。

しかし、この事件には多くの疑問があります。

・この男性は、どうやって現場まで行き、どうやって帰ろうと思っていたのか。
(まさか薬剤頒布車で現場まで行き、帰りもそうしようと思ったわけではあるまい)

・妻は、どういう契機で夫を迎えに行くことになったのか。
(夫が呼んだのであれば、薬剤頒布車にしがみついていること自体が不合理である)

・妻は、交差点でどうやって夫を発見したのか
(反対方向であれば、後部にしがみつく人間を発見できないし、同一方向であれば、夫は家とは反対方向に行こうとしていたことになる)

真相解明が待たれるが、おそらくニュースにはならないだろう。

今回の教訓は、

「飲むなら、しがみつくな。しがみつくなら、飲むな」

いや、そういう問題ではない。

「車にしがみつくのは、やめよう」