ひき逃げ事件を一度不起訴にしながら、再捜査起訴
2010年06月14日
2009年11月、滋賀県草津市で起きた交通事故で、2人をはねて、1人が死亡、もう1人が重傷を負った事件で、大津地検は、加害者の女(31)を、自動車運転過失致死傷罪で起訴し、大津地裁は、2010年3月、執行猶予付判決をしました(検察控訴)。
その後、大津地検は、ひき逃げについて再捜査し、このたび、道路交通法の救護義務違反で起訴したとのことです。
ひき逃げについては、ここに詳しい。
http://www.jiko-sos.jp/damages6/post_118.html
刑事事件に関し、検察側がいったん立件を見送った罪について判決後に改めて公判請求するのは異例です。
推測ですが、大津地検は、ひき逃げと自動車運転過失致死傷罪で起訴しようとしたところ、ひき逃げについて公判を維持できるかどうか微妙だったこと、自動車運転過失致死傷罪だけでも執行猶予ではなく、実刑だと予想しており、刑の重さに不都合はないと考えたこと、が理由ではないでしょうか。
ところが、予想に反し、執行猶予付判決になってしまったため、慌てて控訴し、かつひき逃げ事件についても再捜査したのではないか、と推測しています。
検察は有罪にできるかどうかに重きを置いていますが、被害者の遺族は、「真実を知りたい」「適正な処罰を」と望んでいます。
事件捜査では、公平公正さはもちろんですが、被害者や遺族の心情をくみ取った捜査も心がけて欲しいと思います。
なお、民事事件では、ひき逃げの場合は、慰謝料増額事由となりえます。
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