裁判員制度は大丈夫か。 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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裁判員制度は大丈夫か。

2004年12月12日

市民が刑事裁判に参加する裁判員制度が2009年までに施行されるのに備え、最高裁は今春以降、和解協議などで一般市民との対話に慣れた民事裁判官を、刑事担当へ“配転”させる方針を固めたそうです。(記事)
 
興味深いので、yahooニュースの記事をそのまま引用します。
「最高裁が昨年実施した裁判員制度の模擬裁判では、法律知識のない職員が裁判員役となったが、9人で話し合う評議で遠慮して発言しなかったり、量刑について意見を言いたがらなかったりする場面が続出。裁判長役の刑事裁判官からは「議論を深める能力の必要性を痛感した」という反省の弁が出た。また、法律用語について正確に説明しようとするあまり、裁判員にうまく意味が伝わらない問題も指摘された。

 こうした中、最高裁は、訴訟当事者の市民と直接議論したり、和解を促したりしている民事裁判官に注目。適任者を選び、刑事担当に配置替えしていくことにした。この中には、地裁の裁判長クラスなどベテランも含まれる見通しだ。」
 
この最高裁のコメントを読んで心配になりました。
 
どんな裁判であっても、間違いがあってはいけません。もちろん高裁、最高裁とあり、間違いがあることを前提に、その間違いが正されるような制度になっています。
 
しかし、被告人の一生がかかっている刑事裁判で、遠慮して発言しなかったりして、誤った結論になってしまったらどうするのでしょうか。民事裁判官を配転して、その裁判官にあたればよいのかもしれません。しかし、刑事裁判官にあたったら、どうなのでしょうか。
 
重要なことは、あらゆる裁判でミスを犯さないことだと思います。全ての裁判においてその手当をしなければなりません。そのためには、このような、刑事裁判官の評価を落とすような発表をする際には、同時に、「全裁判官に対人コミュニケーション能力向上に関する研修を義務づけた」とか、全ての裁判官が対人コミュニケーション能力や会議の進行能力を身につけるための制度を導入し、かつ発表すべきと考えます。全ての裁判結果が国民から信頼されるための制度設計をし、かつそれをアピールしなければならないのです。