自賠責と複数人被害
2005年04月22日
22日午前4時15分ごろ、宮城県多賀城市の国道で、横断歩道を渡っていた仙台育英学園高校の生徒の列に乗用車が突っ込み、生徒の3人が死亡し、20人が重軽傷を負ったそうです。
高校生といえば、これから社会に出て活躍しようという人達です。ご両親の無念も大変なことだと思います。
加害者は刑事手続きにより処罰されることになりますが、お亡くなりになったお子さんは戻ってはきません。そこで、法律では、民事損害賠償制度を設けています。
しかし、莫大な損害賠償になるため、通常加害者の資力では支払うことは不可能です。そこで保険制度が存在します。自賠責保険は、必ず加入しなければならない強制保険、自賠責保険でカバーしきれない損害賠償を填補するのが任意保険です。
加害者が任意保険に加入していることを願うばかりですが、仮に加入していないときは自賠責保険で損害を賄わなければなりません。ところで、自賠責保険の支払限度額は、死亡の場合で3,000万円です(治療費等除く)。
では、死亡者が3人の場合には、3分の1になってしまうのでしょうか。
この点は、被害者の保護が考えられており、1人につき、3,000万円の限度が設けられています。
逆に、加害車両が複数台の場合(2台以上の自動車の過失により事故が生じた場合)には、自賠責保険に加入している自動車の台数分だけ支払限度額がありますので、その分被害者に有利に働きます。