努力はいつ払うか? | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
弁護士20人以上が所属するみらい総合法律事務所の代表パートナーです。
テレビ出演などもしており、著書は50冊以上あります。
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努力はいつ払うか?

2025年11月17日

あるところに、一人の若者がいました。

その若者は、農家に生まれ、武士や貴族などの高い身分ではありませんでした。

村の人々は「この暮らしから抜け出すのは難しい」と諦め顔でしたが、若者だけは違っていました。

夜になると、彼は灯りをともし、本を読み、論語を学び、経済の知恵を独学で磨き続けました。すぐに役立つ知識ではありません。お金になる保証もありません。

何の見返りもなく、それでも勉強を続けました。

やがて時代が大きく動きました。

予想もしない幕末から明治へと変わる激動のなかで、この若者は身につけた知識と志を評価され、やがて多くの人に請われて道を拓いていきました。

この若者こそ、後に「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一 です。

彼は500以上の企業の設立に関わり、のちに一万円札の顔にも選ばれるほどの人物となりました。

けれどその原点は、まだ何者でもなかった頃に「報酬を求めずに積み重ねた学び」にあったのです。

もし渋沢栄一が、「もらえる報酬に見合った仕事だけしよう」と行動していたならば、私たちの知る渋沢栄一は存在しなかったでしょう。

しかし彼は、見返りを求めず、学びと行動を積み重ねました。その姿勢が、後に日本を動かす大きな力となったのです。

この昔話が教えてくれるのは、「努力は先払い、報酬は後払い」という真理です。

もちろん、私たちが渋沢栄一になれるわけではありませんが、生き方を学ぶことはできます。

・目の前のタスクを「契約範囲以上」に仕上げる

・短期の成果につながらない学びを続ける

・見返りを前提とせずに、まず自分が与える

「努力は常に先払い」です。

報酬は、先に支払った努力に見合った成果を限度として(保証はない)払われることを肝に銘じておきたいものです。

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