幸福感を増す目標設定
2025年02月24日
今回は、目標設定と幸福度についてです。
京都大学のクアン・ジュ・ファン氏らの研究があります。
幸福を重視する人は、一般的に、生活満足度、肯定的な感情の増加、否定的な感情の減少として表される高い幸福感を示します。
これは、当然でしょう。
反対に、憎しみや苦しみばかり考えている人の幸福度が低いのも当然でしょう。
今回の研究で面白いのは、別のところにあります。
この研究では、約8000人のオランダ人を対象に、2019年から2023年にかけて追跡調査を実施しました。
その結果、「幸せになりたい」という漠然とした目標を持つ人は、もっと具体的な目標(「家族と一緒に過ごす」「趣味を楽しむ」など)を持つ人に比べて、幸福度が低い傾向が見られたということです。
研究者の分析によると、「幸せになりたい」という漠然とした目標は、達成基準が曖昧で、どの程度達成されているかを把握しにくいため、達成感を感じにくく、逆にプレッシャーや不安を感じやすくなるためと考えられます。
「幸せになりたい」と考える反対側には、「今現在、幸せではない」という意味が含まれている、ということも影響があるでしょう。
したがって、漠然とした目標を設定する時は、
・今現在、幸せを感じられる点に焦点を起き、
・今も十分幸せであるが、もっと幸せになりたい、
と考える必要があるでしょう。
また、より幸福感を感じるためには、
・今も十分幸せである、
・今後、家族と一緒に過ごす時間を増やすともっと幸せになる。
などと具体性を高めることです。
自動的に幸せを感じられる人はいいのですが、そうでないならば、自分をコントロールして、幸福感を感じられる自分に作り変えましょう。
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