心理学上のIKEA効果
IKEAは、スウェーデン発祥の世界的な家具・生活用品メーカーで、手頃な価格でスタイリッシュな家具を提供することで日本でも人気の家具メーカーです。
IKEAは、家具を分解した状態で販売する「フラットパック」方式により、配送や在庫管理のコストを削減し、価格競争力を高めています。
価格競争力を高めるために採用した「フラットパック」方式ですが、実は、この方式により、顧客のIKEA商品に対する愛着を高める効果を生み出しています。
これを、心理学で「IKEA効果」といいます。
IKEA効果とは、人が自ら手をかけて組み立てたものに、客観的価値以上の愛着を持つ心理現象を指します。
IKEAの顧客は、IKEAの商品を自ら組み立てることによって、価格以上の価値を感じることになるということです。
実験では、商品ではなく、折り紙作品でも同じ効果が生ずるかが試されました。
研究者たちは、参加者に折り紙作品を作らせ、その作品をどの程度の価値があると感じるか評価させました。
すると、自分で作ったオリガミは、他者が作った同じ作品よりも高い価値を感じることが明らかになったそうです。
このIKEA効果を実生活に応用するには、たとえば、
・プロジェクトに対する部下のコミットメントを高めるために、プロジェクトを作り上げる過程に参加させる。
・上司に企画を承認してもらうために、企画書の一部を修正してもらう、あるいは、企画タイトルを考えてもらう。
商売に応用するには、Nikeが参考になります。
Nikeの「Nike By You」では、顧客が自分のスニーカーをデザインできるサービスを提供しています。自分でデザインした商品に愛着が湧き、購入後の満足度が向上するため、ブランドロイヤルティも高まるというカラクリです。
このIKEA効果では、一点注意点があります。
それは、自分が組み立てや創作などに参加した場合、それは必ず成功しなければならない、ということです。
難しすぎて途中で失敗や挫折をした場合には、むしろ、マイナス評価が植え付けられ、逆効果になります。
自分なりに応用してみると、面白いですね。
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