交渉における協力志向・競争志向
交渉における基本スタンスには、交渉相手と協力しあって目的を達成しようとする「協力志向」と、相手との勝負と考えてできるだけ得をしようとする「競争志向」があります。
私の交渉術の本を読んでいただいた方は、私が基本的には「協力志向」であることをご理解いただいていると思います。
では、果たして「協力志向」と「競争志向」では、どちらが優秀なネゴシエーターになれるのでしょうか。
アメリカの2つの大都市で弁護士を対象にした研究によると、同僚から「できるネゴシエーター」と評価されている弁護士のうち、75%が「協力志向」だったそうです。
また、イギリスの研究では、会社の労使交渉の担当者49人について実際の交渉の場における言動を調査したところ、特に優秀な人たちのほとんどが、「協力志向」だったそうです。
この結果だけを見ると、一般的には、「協力志向」の方が、優秀なネゴシエーターになりそうです。
しかし、アメリカ元大統領のトランプ氏は、「競争志向」に見えます。
「●●をしろ。さもなくば●●をするぞ!」というような脅し型の交渉スタイルのようです。
それでも不動産王になるくらいですから、交渉でも結果を出してきたのではないか、と推測します。
つまり、このような研究結果があっても、交渉は、人間対人間が行うものなので、その時その時で有効な方法が違うものですし、何より、自分に合った交渉スタイルかどうかがとても重要です。
自分が協調型なのに、無理に競争志向の交渉スタイルをとってもうまくいくはずがありません。
まずは、自分に合った交渉スタイルは、どのようなものなのか、それを決めること、そして、その後にその交渉スタイルでの交渉力をつけていくこと、が大切だと思います。
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