コンドームを投げたら暴行罪? | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
東京都千代田区麹町2丁目3番麹町プレイス2階 みらい総合法律事務所
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コンドームを投げたら暴行罪?

2010年09月27日

男が逮捕された。

その男は、車で擦れ違いざまに歩行中の女性(20)に自分の体液が入ったコンドームを投げ付けたらしい。

3年間で100件くらいやったらしく、当たった瞬間に性的興奮を感じるのだそうだ。

はずれたら、きっと、悔しがるのだろう。

では、間違って、隣を歩いている男に当たったら?

きっと、もっと悔しいことだろう。

http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20101027041.html

さて、今回の男の逮捕の被疑事実は、暴行罪である。

暴行罪(刑法208条)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

ずいぶんたくさん刑罰の種類が出てくる。①懲役、②罰金、③拘留、④科料だ。

それだけ色々な暴行の形態があるということだ。

その一つが、今回の事件だろう。

ちなみに、「暴行」とは、不法な有形力の行使をいう。今回、コンドームを投げつけたのは、不法な有形力の行使であり、実は、女性にあたらなくても、暴行罪が成立しうる。

過去の事例では、食塩を他人の顔、胸等に数回振りかけた事例(福岡高裁昭和46年10月11日判決)で、暴行罪が成立した。

この事例からすると、葬儀に参列した後、善意で他人に塩をふりかける場合にも、一応「塩かけるよ」と承諾を取ろう。

お祝い事で、紙吹雪をふりかける行為は、どうだろうか?

これで逮捕されたら、お祝い事が台無しだ。暴行罪は成立しない。

しかし、とにかく、人の嫌がることはしないことだ。