怠惰を賛美する
こんにちは。
弁護士の谷原誠です。
世の中には、勤勉は美徳であり、怠惰は悪いことだ、という価値観を持った人が多数います。
私は勤勉を美徳とは考えていませんが、怠惰に過ごしたくないと考えています。
なぜなら、怠惰は記帳な時間を浪費することだからです。
ところが、中には、怠惰を賛美する人もいます。
「『怠惰』なんて存在しない」(デヴォン・プライス著、佐々木寛子 翻訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、怠惰に過ごすことを推奨しています。
もちろん、働かずにすっと怠惰に過ごせ、と言っているわけではありません。
勤勉に働くことや生産性の高さで人の価値を測るという価値観のせいで、馬車馬のように働き、心身に異常をきたした例を多数挙げて、このような価値観が間違っている、と説いています。
休むことに罪悪感を感じることが間違いであると指摘します。
このタイトルだけを見ると、私も拒否反応を起こしそうですが、内容を読むと、至極まっとうなことが書いてあります。
休んだ方が生産性が向上することなどが書かれており、これは怠惰という言葉の印象とはかけ離れているように思います。
ノーベル文学賞を受賞したバートランド・ラッセルも、「怠惰への讃歌」という本を書いており、その中で、労働を人生の最終目的のように考えるのは間違っている、と言っています。
そして、なぜ労働が賛美されるのかというと、富裕層が貧民に不満を抱かせないために労働の美徳の価値観を植え付けたことなどが理由だといいます。
そして、奴隷制がなくなった時代には、1日4時間労働すればいいのだと主張しています。
なるほど。1日4時間働くだけであれば、残りの時間を好きに過ごせますね。
では、私はどうするか。
1日4時間弁護士業務を行い、残りの時間は、弁護士業務の質を高めるための勉強をし、本を書き(既に50冊以上書いています)、講演をして回るでしょう。
つまり、自分の時間を何に使うかというのは、自分の価値観によるのであり、勤勉がいいとか、怠惰がいいとか、そういう問題ではないと考える次第です。
メルマガ登録は、こちら。
https://www.mag2.com/m/0000143169