イエスを引き出すちょっとしたコツ
あなたが通勤のために駅を歩いている時、クリップボードを持った学生が近づいて来ました。
そして、「アンケートに記入していただけませんか?」とお願いされました。
あなたは応じますか?
実は、アメリカでこの実験が行われました。
アンケートへの記入に応じた人は、57%だったそうです。
では、この応諾率を上げるには、どうしたらいいでしょうか。
答えは、まず、「ちょっとお願いがあるのですが」などと言い、相手が「いいですよ。何ですか?」などと答えた後に、アンケートのお願いをする、という方法です。
これにより応諾率は、84%になったということです。
これは、心理学の一貫性の法則が働いているためです。
依頼を受けた相手は、「いいですよ」などと協力的な立場を表明してしまった結果、その立場に縛られ、その後の依頼に応諾する確率が上がった、ということです。
したがって、相手に何かをお願いする場合には、お願いする前に、相手から何らかの協力的態度を引き出すと、成功率が上がる、ということになります。
そのためには、協力的な言動をするような「質問」をするのが有効ということになります。
ところが、実験はこれで終わりませんでした。
アンケートに応じてもらった後に、「あなたはこの行為の代償としてお金を請求できるとしたら、いくら請求しますか?」と質問したそうです。
そうしたら、「いいですよ」と答え、一貫性の法則に縛られてアンケートに答えた人は、そうでない人よりも高額のお金の請求をしたということです。
つまり、心理学の法則により罠にはめられ、コントロールされたことに対する仕返しをしようとするのだということです。
このように、短期的に相手を動かすことができるテクニックは存在するのですが、それを多用することで、長期的な関係を悪化させる可能性がある、ということを憶えておかなければなりません。
目指す境地は、テクニックで人を動かすのではなく、「好意と信頼」により人が喜んで動いてくれることです。
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