飲酒運転の酒の提供禁止が倒産の増加の理由だと!?
2011年02月18日
ヤフーニュースのタイトルである。
「昨年の居酒屋倒産、最多=飲酒運転の罰則強化も要因」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110217-00000122-jij-bus_all
居酒屋の倒産が、飲酒運転を防止するため酒類の提供者らに対する罰則が道交法に新設された2007年から目立って増え始めたとして、道交法改正が倒産の原因かのような説明をしている。
道交法改正が悪いような書かれ方に思えるのは、うがった読み方だろうか。
この説明の前提には、次の内容が含まれている。
①倒産した居酒屋は、車で来店した客に対して酒を提供していた。
②倒産した要因として、車で来店した客に対して酒を提供できなくなったことがある。
居酒屋の倒産を最多にするほど、飲酒運転は多かったのだろうか。
そうだとしたら、恐ろしいことであるが、私には、そうは思えない。
統計ではなく、自分の周りを考えてみても、飲食に対する財布の紐が閉められている傾向にある。これは、決して飲酒運転ができないことを理由とするものではない。
統計を見てみよう。
香川県の飲食業の倒産件数は、8年連続前年比増加で、徐々に増加しているという調査結果がある。
http://bn.bk-web.jp/2010/0602/trend.php
決して2007年から目立って増えているわけではない。
また、近年のデフレ傾向、個人消費の落ち込み、外食の減少(いわゆる「イエナカ消費」の増加)などの関係をどう考えているのか。
道交法改正と、居酒屋の倒産増加との関係が立証されているとは、思えない。
交通事故の被害者代理人を務める者としては、このようなタイトルは変更して欲しいところである。
そして、飲酒運転は、絶対にやめて欲しい。