犬を助ける少年
2011年02月19日
野良犬が、自転車にはねられて、右後ろ足を骨折した。
痛々しそうで、歩くのもやっとの状態だった。
1人の少年が、その犬が雨露をしのぐのも大変だとうと思い、小屋を作ってやった。
そんな足では、餌も捕れないだろうと思い、自分の食事を分け与えてやった。
その少年は、裕福な家ではない。むしろ貧しいほうだ。
だから、自分に分け与えられたわずかの食料から、その犬に餌として分け与えてやっていたのだ。
その少年は、空腹を我慢するために、草木まで食べてその犬の面倒を看た。
周りの人は、なぜ少年が、自分を犠牲にしてまでその犬の面倒を看るのか、不思議だった。
あるとき、その少年に聞いてみた。
「なぜ、それほどまでして、その犬の面倒を看るの?」
少年は、何も答えなかった。
そして、黙って自分の右足のズボンの裾をまくった。
その右足は、義足だった。
その少年は、自分の足が不自由であるがゆえに、足の不自由さで、どれほど苦労するかを痛いほど知っていたのだ。
だから、犬ができるだけ苦労しないように、面倒を看ていたのだった。
今、東北地方の人達は、東北地方太平洋沖地震の後、家がなく、食料がなく、衣料がなく、苦しんでいる。
この物語の少年のように、私たちは、彼らがどれほど苦しんでいるか、自分に置き換えて、わかるだろうか。
彼らには支援が必要だ。
どんな支援が必要か、彼らが置かれた状況で、よく考えてみたい。