初心を忘れていないか?
2011年04月04日
弁護士になる頃、弱きを助け、強きをくじく弁護士になろうと思っていました。
そのため、弁護士会の「子供の人権救済センター」「外国人救済センター」「クレジットサラ金相談センター」「消費者相談センター」など、弱者側の弁護を引き受ける相談窓口に多数登録しました。
10年近く前、ヤミ金が今ほどおとなしくなくて、猛威をふるっていたころも、積極的に依頼を引き受けました。
やくざまがいの取立てが来るので(当時は高利貸しとヤミ金の境界があいまいで、直接取立に来ることもありました)、ストレスはたまりましたが、目の前でおびえている相談者を見て、「自分が断ったら、この人は他に行くところがない。困っている人を助けるのが弁護士じゃないか」という思いから、積極的に引き受けました。
テレビの取材で、「いつもはヤミ金が債務者の自宅に来たりして取り立てられているのを、逆に債務者がヤミ金の事務所を調べ(ヤミ金は自分の住所を明かしません)、債務者の方から乗り込んで交渉する」という企画に協力して、債務者と一緒にヤミ金事務所に乗り込んだりもしました。
その後は警察がヤミ金の検挙に積極的になってきたので、ヤミ金の取立もだいぶおとなしくなりました。また、多くの弁護士がクレジットサラ金問題の処理をやるようになったので、私の方は登録を抹消し、今はほとんどヤミ金の事件は扱いません。
現在では、多くの会社の顧問弁護士として会社の法務問題にアドバイスしたり、大きな会社から依頼を受けて事件処理をしたりしますが、交通事故の被害者救済に力を入れています。
いつまでも初心を忘れず、弁護士道を進んで行きたいと思います。