海老蔵さんビルで無許可営業
歌舞伎俳優、市川海老蔵さんが昨年11月に殴られ、重傷を負った傷害事件が起きた店と同じビルに入居している「NERO」(ネロ)という飲食店(キャバクラ)の経営者が、風営法違反(無許可営業)の現行犯で、警視庁に逮捕されました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110531-00000581-san-soci
店内では、女性従業員(モデルや有名大学の女子学生もいたらしい)に男性客の接待をしていたとのことです。
何が無許可だったかという点ですが・・・
風営法では、キャバクラやクラブなど、客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業を営むときは、都道府県公安委員会の許可を得なければならないことになっています。
この規定に違反していた、ということです。
キャバクラやクラブでは、ホステスさんが客の話し相手になって飲食させるのですが、この話し相手になることが「接待」にあたるということです。
具体的には、どのような行為が「接待」にあたるのかは、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」というものに定められています。
それによると、接待にあたるかどうかは、以下の基準によります。
・接待するのは、異性に限られません。同性が接待しても、「接待」になります。ということは、ゲイバーやレズバー、オナベバーでも「接待」になりうるということですね。
・店と通じて客を装った者が接待するのも「接待」になります。つまり、店から報酬をもらっていながら客を装った「サクラ」が客を接待するような場合です。
・客の近くにいて、継続して話し相手になったり、お酌したりするのは「接待」です。筆談や手話でも同じですね。筆談ホステスさんも「接待」をしていることになります。
・お酌をしたり水割りを作っても、作るだけですぐに立ち去る場合は、「接待」ではありません。イメージとしては、普通のレストランなどです。
・バーのように、客の注文に応じて酒などを提供する際に若干の世間話をするのは「接待」ではありません。
・カラオケの際に、特定の客の近くにいて、歌うことをすすめ、歌に手拍子をとり、拍手をし、ほめそやし、あるいはデュエットを一緒に歌うなどは、「接待」にあたります。スナックでは、これにあたらないように、特定の客ではなく、複数の不特定の客に歌をすすめ、拍手等をしています。
今回、逮捕された店舗は、女性従業員が、男性客の席の隣などについて、話し相手になっていたのでしょうから、「接待」を行っていたことになります。
したがって、東京都公安委員会から、いわゆる「2号営業」の許可を得ておかなければならなかったということです。
飲食店を経営することを検討中の方、及びすでに経営しているけれども許可を得ていない方は、お気をつけください。
ところで、このビル「エビゾービル」とか呼ばれていますが、本当の名前は「エビゾービル」じゃありませんし、海老蔵さん所有のビルでもありません。
ビルのオーナーさんには、迷惑な話ですが、ちょっと考え方を変えて、この際、ビル名を「エビゾービル」にしてしまえば、人気のビルになることでしょう。