子供にさせると処罰されるのは? | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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子供にさせると処罰されるのは?

2011年06月29日

売春は犯罪です。

「出会い系サイトを使って18歳未満の少女に買春をさせたとして、埼玉県警少年捜査課と幸手署は28日、児童福祉法違反(児童に淫行させる行為)容疑で、幸手市のアルバイト女(20)=犯行当時(19)=と春日部市の無職少女(17)を逮捕した。」産経新聞 7月28日(木)22時1分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110728-00000632-san-soci

売春関係のニュースの時、犯罪容疑は、「売春防止法違反」で逮捕されることが多いと思います。

今回は、なぜ児童福祉法違反容疑だったのでしょうか。

児童福祉法では、児童に淫行をさせる行為を禁止しています。今回の容疑ですね。

これに違反した場合は、10年以下の懲役または300万円以下の罰金あるいはこれらを同時に科されます。(60条)

これに対し、売春防止法で、売春の周旋(仲介)をした場合に、2年以下の懲役又は5万円以下の罰金とされています。

つまり、同じ売春をさせる行為でも、児童にさせる場合の方が格段に重いのですね。

ここで気になるのは、「児童」とは、何歳か、ということでしょう。

児童福祉法では、「児童」とは、18歳に満たない者、と定めています。

児童福祉法では、他にも、次のような行為を禁止しています。

・身体に障害又は形態上の異常がある児童を公衆の観覧に供する行為(映画の「エレファントマン」を思い出します)

・児童にこじきをさせ、又は児童を利用してこじきをする行為(インドで見たような)

・公衆の娯楽を目的として、満15歳に満たない児童に軽業または曲馬をさせる行為(サーカスですね)

・満15歳に満たない児童に他人の家の前や道路などで歌謡・遊芸・演技などを業務としてさせる行為

・児童に午後10時~午前3時までの間、家の前や道路などで物品の販売、配布、展示、拾集、サービスの業務をさせる行為

・上記の業務を行う児童を、その業務の目的でキャバクラ、案内所その他風営法の一定の店舗に立ち入らせる行為

・満15歳に満たない児童に酒席に侍する行為を業務としてさせる行為(未成年者に酒を飲ませるのはダメですよ)

・刑罰法令に触れる行為をするおそれのある者に対し、児童を引き渡したりする行為

・営利目的で児童の養育をあっせんする行為(人身売買のようなものです)

・児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的をもって、これを自己の支配下に置く行為

児童福祉法には規定がなくても、風営法で、風俗営業で18歳未満の者に客の接待をさせたり、客の相手のなってダンスをさせること、午後10時~翌日の日の出時までの時間に客に接する(接待しなくても)業務に従事させること、営業所に立ち入らせること、などが禁止されていますので、ご注意ください。

風営法以外にも、労働基準法でも未成年者の雇用に関して規制があります。未成年者を雇用する場合には、これら法律を確認の上で違反しないようにお願い致します。