逮捕勾留され、1億3000万円請求できるか?
2011年07月30日
茨城県利根町布川(ふかわ)で1967年に強盗殺人「布川事件」がありました。
この事件、今年6月に再審無罪が確定しています。
無罪が確定した2人(64歳と65歳)が、水戸地裁土浦支部に刑事補償を請求しました。
請求額は各約1億3000万円。
これは、無罪であるにもかかわらず逮捕勾留されたことによる損害を補償してもらう請求なので、国家賠償ではありません。
国家賠償となると、警察や検察庁の捜査が違法ということになりますが、そうすると、適正な捜査であった場合には、何も得られないことになってしまいます。
そこで、「刑事補償法」という特別の法律を作って、無罪の人を救済しようとしているのです。
今回請求したのは、67年10月から仮釈放された96年11月までの約29年分で、刑事補償法の上限金額である1日12,500円。
実は、刑事補償法では、補償金額が定められており、1日につき、1,000円~12,500円までとなっています。
今回は、その上限金額を請求したわけです。
ちなみに、最低の1日1,000円で計算すると、約1,000万円強。
なんと10倍以上も違うのです。
29年間も無実の罪で囚われて、1,000万円の補償ではたまりませんね。
裁判所には、適正な補償額を算定して欲しいと思います。