オオカミ少年が逮捕!
「オオカミ少年」というイソップ童話を子供の頃に読んだことがある人は多いでしょう。
ある村に住む羊飼いの少年が、退屈しのぎに「オオカミが出たぞ!」とウソをついて騒ぎを起こします。
信じた大人たちは武器を持ってオオカミ退治をしようとしますが、徒労に終わります。
その後、味をしめた少年は何度もウソをつき、その度に大人たちは騙されますが、ついには少年を信じなくなります。
ところが、ある日、本当にオオカミが現れますが、大人たちは少年を信じません。
そのために、村中のヒツジがすべて食べられてしまった……というお話です。
別バージョンとして、最後に少年がオオカミに食べられてしまうというストーリーもあります。
ウソばかりついていると、いざ本当のことを言っても誰も信じてくれない。
普段からウソをつかず、正直に生きていれば人からの信頼を得て、必要な時には助けを得られるものだ、という教訓が込められた寓話として知られています。
先日、このオオカミ少年のような事件が起きました。
「“ライオン逃げた”熊本地震直後にうそツイート 男を逮捕」(2016年7月20日 NHK NEWS WEB)
今年の4月14日、熊本県で最大震度7を記録した地震が発生した夜に、「地震のせいで動物園のライオンが逃げた」などとウソの内容をツイッターに投稿した神奈川県在住の会社員の男(20)が偽計業務妨害の疑いで逮捕されました。
男は、文章とともに道路上にライオンがうろつく画像も投稿。
「悪ふざけでやった」と容疑を認めているということです。
投稿後、このツイートを信じた人などから熊本市動植物園に100件以上の電話の問い合わせがあり、職員が対応に追われたり、飼育員が獣舎などの点検をスムーズに行えなかったほか、警察にも「ライオンが逃げているので避難できない」という相談が相次いだということです。
警察によると、災害時にデマを流したことによる業務妨害容疑で逮捕されるケースは全国で初めてだということです。
「刑法」
第233条(信用毀損及び業務妨害)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
嘘のツイートをすることにより、それを信じた職員の業務を妨害したり、警察の業務を妨害した、ということですね。
オオカミ少年は、信用を失うことにより、自分やヒツジが食べられてしまったわけですが、今回は、信用されたことにより、自分が逮捕されてしまったわけです。
面白半分でいい加減なことをツイートすると、犯罪になってしまう恐れがあるということですね。
今回の教訓を、「ライオン青年」という寓話として、後生に語り継ぎたいところです。
合唱。。。