郵便物を隠すと罪になる? | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
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郵便物を隠すと罪になる?

2012年02月04日


郵便事業会社の郵便配達を担当していた社員が逮捕されました。

郵便物を隠したためです。

今のところの調査では、配達されていない郵便物が約3000通あるということで、山口県警は、実態を捜査しているということです。

確かに、不要なDMなどは届かない方がよいですが、大事な手紙が届かなかったら大変です。

私たち弁護士も、重要な手紙を郵便によってやりとりすることが多いので、このような犯罪があると、気になるところです。

手紙を隠す犯罪については、次のようになっています。

まず、他人の信書を隠した場合には、刑法263条により、6ヶ月以下の懲役もしくは禁錮または10万円以下の罰金です。

この場合の信書には、葉書も含まれます。

郵便物である必要はないので、中学生や高校生が、相手の下駄箱に入れたラブレターなんかも、信書に入るでしょう。

恋敵が、他人のラブレターを隠すのは、信書隠匿罪に該当するのです。

ところで、この信書隠匿罪には特別法である郵便法という法律があります。

郵便法77条によると、郵便事業株式会社が取扱中の郵便物を正当の事由なく隠した場合は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金で処罰されます。

刑法と郵便法を比較すると、郵便法の方が重い刑罰なので、この逮捕された社員の場合、郵便法により処罰されることになります。

郵便事業株式会社が取り扱っている場合には、普通の場合よりも罪が重くなる、ということです。

ということは、郵便ポストに入った時点で占有が差出人から郵便事業株式会社に移ると考えられ、宛名人の郵便受けに投函された時点で占有が宛名人に移ると考えられるので、この間に郵便物を隠すと、郵便法により重く処罰される、ということになると考えます。

ちなみに、郵便法では、隠す場合の他、正当の事由なく開き、き損し、放棄し、又は受取人でない者に交付した場合も同じように処罰されますので、ご注意ください。