陸援隊の弁護士辞任
関越自動車道の高速ツアーバス事故で、バス会社の「陸援隊」の代理人の弁護士4人が辞任したそうです。
社長が逮捕されてしまったので、代理人弁護士が辞任したことで、被害者らが補償を求める窓口となる人がいなくなってしまいました。
被害者らは「無責任だ」と批判しているそうです。
http://www.topics.or.jp/worldNews/worldSociety/2012/06/2012060101002495.html
弁護士が辞任する理由は様々です。
弁護士とクライアントは委任契約なので、クライアントから「辞めてくれ」と言われれば解任となります。
自分の意志で辞めれば辞任です。
そして、弁護士には、守秘義務があり、「なぜ辞任したのか」について、クライアントが秘密にしたいことであれば語れません。
ただ「辞任した」としか言えないのです。
一部報道では、補償問題は保険会社が示談代行しており、「民事の代理人として十分に打ち合わせができず、やれることはなくなった」とされているようですが、一般接見をして打ち合わせすれば良いだけなので、それが大きな理由ではないでしょう。(接見禁止がついていたら、打ち合わせできませんが)
それに示談代行を保険会社が行うことは当初より予想されたことです。
ですから、辞任の本当の理由は、わかりません。
弁護士として仕事をしていても、相手の代理人弁護士が突然辞任する、ということはあります。
理由を推測しますが、結局わかりません。相手に聞いても教えてくれません。
私も稀に辞任することがありますが、理由は様々です。
それを外に漏らすことはありません。
結局、今回も、弁護士が辞任した理由はわからないまま、時が過ぎ去ってゆくでしょう。
今回の弁護士は、被害者から「無責任」と言われていますが、保険会社が示談代行しているので、人身無制限の任意保険であれば、法的に請求できる金額は保険会社が支払ってくれます。
その意味では最低限の被害救済はなされるものと思います。