就職活動における体育会系の強みとは?
ビジネス誌などで、会社の人事担当者の声がよく紹介されています。その中で、採用の際に評価が高くなる人の特徴として挙げられるのが「体育会系」です。これはなぜなのでしょうか。
実は、私自身も体育会系です。明治大学時代は体育会の器械体操部に所属し、4年間練習に明け暮れた経験を持っています。
そして、私の事務所に所属する弁護士21人の弁護士のうち、大学体育会にいた弁護士は6人。
そもそも体育会で弁護士になる人の割合は相当に低いので、私の事務所の体育会率は、かなり高い割合といってよいでしょう。
採用基準には様々なものがあり、それぞれを勘案し、結果的に体育会系の人が増えたという面ももちろんありますが、体育会に所属していた人材が結果的に評価が高く、採用されています。
その理由は、2つあります。
体育会系の人が、表面的に「さわやか」であったり、あいさつができるなどといったことは、大した問題ではありません。それらはビジネスマナー研修で身につけられます。そして、もちろん業務の技術・知識については入社後に学ぶことができます。
それよりも私が重視するのは、体育会系の特色となっている、ある種の「カルチャー」です。
まず、体育会系の持つ人間関係のかたち。よく知られていることですが、体育会は上下関係に厳しく、上に対する礼儀については徹底的に教育されています。また、下に対しても自分が指導するのが務めであるとの認識があります。
縦のつながりだけではなく、横のつながりも重要です。体育会系の人材は、同僚とチームを組み、グループワークを行う姿勢に優れ、組織での業務をスムーズに進めることができる傾向があります。
もうひとつ、スポーツを高いレベルで真剣にやっていた人が持つ、重要な資質があります。
それは、「自分の限界を超える」体験を繰り返しているということです。この限界には、体力的なこともありますが、精神的な部分が大きいと思います。
どのような仕事でも、困難にぶつかることで、精神的に潰れそうになることがあります。その時に力になるのが、過去に限界を超えて頑張ったことでうまくいった、という成功体験です。
この2つの観点で、体育会系の評価が高くなるのです。
体育会系は学生時代、毎日練習があるので、あまり遊びに行けません。成績も芳しくない人が多いでしょう。寂しい思いもしてきていますが、その毎日の積み重ねが就職活動では有利に働くのです。
読者の皆さんにも、体育会系の方、またそうではない方がいるでしょう。当然のことながら、ビジネスで結果を出すために体育会系であることは絶対条件ではありません。
体育会系でないから評価が低い、ということではありません。
体育会系の人が必死に練習をしている時、他の方は、他の様々な経験をしてきているはずです。
それが、体育会系に勝つ強みとなるでしょう。そこを強調するのです。同じ土俵で戦ってはいけません。常に自分が有利な土俵を設定し、そこで戦うのです。
体育会系は、あまりアルバイトができません。
学生時代にバイトに明け暮れたなら、それは立派な社会経験で財産です。社会的に成熟した人格が形成され、即戦力として見られるかもしれません。
そこで勝負です。
無駄な経験はありません。自分の経験を如何に今後に生かしてゆくか、そこが重要だと思います。
しかし、何もしてこなかった人、無為に過ごしてきた人は、就職活動でその報いを受けるでしょう。社会に出てからその報いを受けるでしょう。
今の自分に出ている結果は、自分の過去の言動や行動の結果です。
どんなことでもいいので、真剣に取り組むことが大切だと思います。
「限界は、自分で考えているよりもはるか先にある」(長友佑都)
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