上司に嫌われたら?
上司から小さな失敗について厳しく叱責されるなど、ほかの社員と扱いが明らかに異なっている状況に、「なぜ、あの人は私だけにあんなに辛く当たるのか」「私は嫌われているのではないか」と悩むことがあります。
もちろん、その原因が上司の人格的問題にある場合もあるでしょう。
しかし、上司について云々する前に、まず考えなくてはならないことがあります。
それは、そもそも自分が上司を嫌っているのではないかということ。
そして上司が自分を嫌っているのは、その反射なのではないかということです。
「鏡の法則」、あるいは「悪意の返報性の原理」と呼ばれる心理法則があります。
簡単に言えば、人は自分のことが好きな人は好きになり、嫌いな人は嫌いになる傾向があるということです。
「確かに私も上司のことが嫌いだけど、それはあっちが嫌っているからなんだ」という声が聞こえてきそうです。
しかし時間的にどちらが先か、という問題はともかく、「相手が嫌っている」ということを、自己正当化に使っている限り、問題は解決しないでしょう。
この問題の解決方法は、「自分からその上司に好意を持ってみる」ということになりますが、そもそも嫌いな上司を好きになることは非常に難しいものです。
それでは、まずその上司のよいところを5つ見つけるということを課題としてみるのはどうでしょうか。
そのあと、上司の尊敬できるところ、自分よりも優れているところも5つ見つけます。
見つけられましたか?
これで少し嫌いな感情が薄らいできましたね。
良いところ、優れたところが見つかったら、自分が抱くその上司の嫌なところと比べてみてください。
ここで気づくことは、良いところと嫌いなところは、同じことを両面からみた関係になっている場合が多いことです。
「頑固なやつだ」と嫌に思っていたら、実は「首尾一貫して意志が固い」ことが良いところだったり、「優柔不断だ」と思っていたら「とても柔軟な思考の持ち主だ」ということもあるものです。
この関係に気づいたら、今までの悪意が好意によって解消されていきます。
自分の気持が変われば、上司の関係も少しずつ変わっていくかもしれません。
大切なことは、自分のできることに集中すること。
相手のせいにしていたら、いつまでたっても良い関係にはならないでしょう。
その方法論をまとめてみました。
私の新刊です。
世の中から、人付き合いの悩みがなくなることを願い、書き下ろしました。
「図解「やっかいな相手」がいなくなる上手なモノの言い方」(角川書店)
http://www.amazon.co.jp/dp/404110565X/